![]() The Who By Numbers
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1975年は前半はソロ活動と映画"Tommy"が中心。そして5月から新作の録音が始まり、10月にはオリジナルとしては2年ぶりのアルバム"By Numbers"をリリースした。久々に大作主義から離れ、コンパクトなロックナンバーで固められた新作は今に至るまでさほど評判がいいとは言えないようだが、個人的には充分魅力的な曲がつまっていると思う。 "Slip Kid"はパーカッションを多用した(リズムボックスかもしれない)オープニングから軽快なギターリフに続くオープニングからしてインパクト充分。メロディーも覚えやすく、アルバムのトップには文句無しだろう。あまりにもポップなのであっという間に終わってしまうように感じるが、実は4分半ある。 "However Much I Booze"はピートが歌うポップな曲で、リズミカルななギターカッティングが心地よい。キースは彼らしいドラミングを聴かせてはいるが、こういう曲にはケニー・ジョーンズのスタイルが似合うのもまた事実だ。この頃からピートの作曲が変わり始めていた証拠とも言える。 シングルカットされた"Squeeze Box"はタイトル通りピートがアコーディオンをいじっていて出来た曲で、彼のバンジョー風のギターソロが聴ける。あまりに適当に書き飛ばしたこの曲がヒットしたことにピート自身驚いているようだが、ポップすぎるメロディーにキースの乱暴なドラムが乗るスタイルは初期のナンバーにも通じるもので、ファンには嬉しかったんじゃないだろうか。現行盤CDにはライヴヴァージョンも収録されているが、スタジオ盤に勝る演奏にはなっていない。 "Dreaming From The Waist"こそアルバム中で最高の曲ではないだろうか。この曲もメロディアスでありながら、パワフルなロジャーのヴォーカル、キースの「あの」ドラミング、そしてジョンの「曲中全部ソロ」が炸裂している。勿論ピートの作曲も冴えていて、それをさせるバンドの力量がよく解る演奏になっている。これだけ好き勝手やっても崩壊しないのがフーの凄さだ。それはCD収録のライヴヴァージョンを聴くとよりよく解る。ここではジョンがさらに大々的にフィーチャーされて、強力なプレイを聴くことが出来る。 "Imagine A Man"はピートとロジャーの繊細なハーモニーが聴けるバラード。だが曲自体は若干インパクトに欠けるきらいはある。"Sunrise"のバンド版での焼き直し、と言った感じか。ここでも初期の雰囲気が帰ってきているのは嬉しいところだが。キースはフロアタムを中心としたパーカッション的プレイに徹しているようだ。 ジョンの"Success Story"でB面がスタートする。ロジャーとジョンがヴォーカルを取り、サビはピート主体のハーモニー、ブリッジではジョンがソロヴォーカルも聞かせる(例の低音ヴォーカルも登場!)。フー自身をパロディーにしたような曲でキースも乗りに乗っているが、歌詞は若干ピートに対する皮肉も入っているのかもしれない。後半ベースソロになるのも実は目立ちたがりのジョンらしい。 "They Are All In Love"もちょっと印象の弱いバラード。ピートは「繊細な曲もロジャーが歌うとマッチョ的になってしまう」と嘆くが、この曲では特にそれが悪いほうにでているようだ。ただ、ニッキー・ホプキンスのピアノはこの上なく美しい。ピートが歌うべきだったかもしれない。 "Blue Red And Grey"はピートがウクレレを弾き語るアコースティックな曲。途中から彩りを添える管楽器が控えめながらツボを押さえたいいアレンジ。このアレンジメントはジョンが行っており、ホルンも吹いている。 "How Many Friends"もバラード的な曲で、"They Are All In Love"と違いロジャーの歌唱スタイルが似合っていると言える。ピートのギターがオブリガートに終始するスタイルは彼らの曲では珍しいかもしれない。その分コードはピアノが押さえ、キースの「一人オーケストラ」がサポートしている。 ラストには若干弱い"In A Hand Or A Face"は"Waspman"や"Here For More"と同じリフを流用しており、むしろそれらの曲にピートがこの曲のリフを付けたことがうかがえる。おそらく元ネタは"My Generation"のライヴでのジャムで出てきたかなんかしたんだろう。キースが久々にハイハットを殆ど使わないドラミングをしているが、ロジャーのシャウト同様上滑り気味だ。何にか一つ足りなくて、盛り上がりきれない。悪くないだけに残念。 76年はアルバムのためのツアーが中心。CDのボーナストラックのライヴはこの76年のツアーからのもの。 |
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TRACKS 1975-76 Singles and Rare 1976 back |