![]() The Kids Are Alright
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取りあえず、シェパートンでのライヴを撮影したのはこの映画という目的があったのは間違いが無い。何故、フーがこの時期に歴史を総括するフィルムを作ったのか、それが不思議で仕方がない。キース存命中に、全ての企画は進められているのだ。映画には彼を追悼するような内容は登場しない。しかし、この映画はキース在籍時のフーを総括し、彼を偲ぶ内容になってしまっているのだ。 サウンドトラックは一種のベスト盤としては聴けるが、実際のフィルムとはかなり異る内容になっている。オープニングは映画同様のインタビューから"My Generation"のスタジオライヴへ、というもので、実際にはギターとヴォーカル以外はレコードのものが使われている。それでも楽器破壊を含むパフォーマンスは圧巻。これはどうしても映像を見てほしいところだ。インタビューのやり取りも楽しい。ここでキースが「みんなキースって呼ぶけどジョンでもいいよ」っていうのは、ギャグでもなんでもなく彼の本名は「キース・ジョン・ムーン」なのだ。67年スマザーズ・ブラザーズ・ショウより。 デビュー曲の"I Can't Explain"は映像自体も古く、まさにデビュー年65年のシンディグ!の映像。これはしっかりスタジオライヴで貴重だ。続く"Happy
Jack"は映画ではプロモーション・フィルムの映像だったが、アルバムにはリーズでのライヴを密かに初収録。映像のないアルバムを「魅せる」のにはいい方法なのだが、これを徹底しなかったところにこのアルバムの弱さがある。 ようやく登場するライヴヴァージョンは"Anyway, Anyhow, Anywhere"。ライヴ映えする曲である。65年のレディ・ステディ・ゴーより。映画では途中でフェイドしていた物のフルヴァージョンが聴けるのは嬉しい。 "My Wife"は映画には登場しない。だがきっちり未発表のライヴヴァージョンで、77年のキルバーンでの演奏。映画のためのシューティングの予定だったが、上手く行かずに使われなかった。結局この曲のみがアルバムだけに入った、と言う経緯を持つ。この年は数回しかフーのステージが行なわれていないので、非常に貴重な演奏と言っていいだろう。 映画では序盤に登場する"Baba O' Riley"はこの映画用に行なわれたフィルムシューティングからの演奏で、78年シェパートン・フィルム・スタジオでのライヴ。ピートのイントロでの雄叫び、更にギターを弾かずにタンバリンを「殴る」、そしてタンバリンを投げ捨て風車奏法に。そしてアルバム"Who Are You"では不調だったはずのキースも全開。素晴らしいパフォーマンスだ。 発表当時はここでの"A Quick One"は貴重だった。なぜなら当時は「ロックンロール・サーカス」が未発表だったからだ。ここで聴ける同曲は数多いライヴヴァージョンの中でもベストと呼べる出来。特にラストの"You're Fogien"(従来のビデオ版ではこの部分のみ収録)でのピートのヴォーカルは最高と言えよう。キースの水芸も凄い。 "Tommy Can You Hear Me"は69年のビートクラブのもので、当然クチパク。だが、エンディングがちょっと違うので楽しみも。映像ではステージに並んで4人で楽しげに歌う姿が印象的(特にはしゃいでいるようにしか見えないキース!)。各メンバーのキャラがよく解る。 ここから3曲はウッドストックからの演奏。全て「トミー」より、"Sparks","Pinball Wizard","See Me Feel Me"だ。現在ではリーズを含むトミー全曲ライヴが数パターン世に出ているので貴重ではないが、やはり(評価はどうあれ)「ウッドストックでの演奏」ってのは気分的に「凄いような気がする」演奏/映像だ。メンバー自身が気に入っていないとはいえ、ここでの"See Me Feel Me"は個人的に大好きなヴァージョン。ボックスセットが出るまでは"Sparks"のライヴも実に嬉しかった(とは言え、ボックスのもリマスターしただけの同じ演奏だが)。 "Join' Together / Road Runner / My Generation Blues"とクレジットされているが、最初の"Join'
Together"は途中、と言うかエンディングからの収録で、殆どアドリブの部分のみが入っている(と言うよりも、普通の形では演奏されていない)。そのままフーが初期から演奏していたボ・ディドリーの"Road
Runner"のヘヴィーなヴァージョンへ突入、さらにこの時期にはすっかりお得意だった"My Generation
Blues"へと展開。75年のライヴだ。このツアーのパターンで考えると、実際には"Join' Together"の前にも速いテンポの"My
Generation"を演奏していたと思われる。なお、映画では"Join' Together"より前の部分はカットされ、"Road
Runner"から収録されていた。 ラストは定番の"Won't Get Fooled Again"だ。これもシェパートンでのスペシャルライヴのもので、"Baba O' Riley"同様の素晴らしい演奏だ。おそらく久々のギター破壊(壊れないが)も見れるし、充分ワイルド&発狂気味でありながら(撮影/レコーディングを意識したが故の)そこそこきっちりした演奏で、スタジオヴァージョンを充分に超えている。空中に投げたシンバルをギターではじき飛ばすシーンが最高。 さて、ここではレコードについて、映像版の内容を交えて紹介したが、勿論映画にはレコードに入っていない演奏が多数登場する。そっちも紹介していこう。まずは65年のシンディグ!から("I Can't Explain"とは別の日)"Shout And Shimmy"だ。これもがっちりライヴ映像だが編集されてしまっているのが残念。若いフーの凶暴かつクールな演奏は素晴らしいんだが。 "Success Story"はいつ作られた映像かはわからないが、ジョンのプロモクリップという印象。彼のギターコレクションの一部が見れる。後半のゴールドディスクでクレー射撃はある意味、ジョンらしい...音はスタジオヴァージョン。 後半のヤマとも言えるシーンが二つあって、どちらも何故サントラに入れないんだ!とさえ思う。最初はこの映画のためのスタジオセッションと思われるシーンで、キースがドラムを叩きながら"Barbara
Ann"を歌う。ひどくラフなセッションで「いい演奏」にはほど遠いが、リラックスしまくって、空気感がやたらにいい。最後はピートがマイクスタンドを倒してしまって、それを起こすことが出来ず爆笑のうちにエンド。 映画は前述の通り"Long Live Rock"をエンドロールにして終わるのだが、これは「フーはまだ終わらない」という宣言なのだろうか。多分、最終的な編集時にはケニーの加入など、全て決まっていたと思われるので、そうやって自分たちを鼓舞するようにも聞こえる。そして、フーは更にジョンを失った今でも"Long Live"しているワケで... |
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