![]() Face Dances
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キースの後任って言うのはとにかく分が悪いのは言うまでも無く、辛い立場のケニー・ジョーンズには賛否両論あるがどっちかって言うと「否」に偏りつつも、結構みんな「かわいそうだけど」って前提で語っている印象がある。 オープニングの"You Better You Bet"を聴けばいかにフーが(ピートが)気合いを入れてこの作品を作っていたかが解る。実際、この曲は「幻想派」のフーファンにも受け入れられたほぼ唯一のケニー時代の曲である。もちろん、「現実派」にとっても心地よい曲であることは変わりない。シーケンスフレーズを使ったイントロ、中間でのテンポチェンジ、歌詞に出てくる「Who's Next?」のフレーズ。かなりノスタルジックな作りだが、過去への精算と言うとらえ方もできる。つまりそれだけ前向きな印象もあるというコトで、実際、キースを再現するでもなく曲を生かす方向性を選んだケニーのプレイも素晴しいものだ。新生フーの幕開けである。 "Don't Let Go The Coat"はもうちょっと地味だ。この時期のピートのソロに近い雰囲気の曲で、あまりロジャーの声質に合っていない印象がある。曲そのものはポップで悪くないのだが、いわゆるパブリックイメージとしてのフーとはかけ離れた印象も。シングルにもなったが、賢明な選択とは思えない。 "Cache Cache"もやはりピート色の強い曲。パンクへのシンパシーも感じる曲と歌詞だが、勿論暴走感はなく、小奇麗にまとまっている感じがちょっと物足りない。構成も単調になりがちだが、ピートらしくないシンセの使い方がどうにも気に入らない。ヴァースのバッキングなんかコーラスで事足りるではないか。曲そのものは・・・以下同文。シングルにはなっていないが。 ジョンの"The Quiet One"は彼自身が歌うハードロック。キース的ではないが叩きまくるドラミングも「フーっぽい」感じで良い。ギターとベースの音数は少ないがドラムで埋めていく感じ。ジョンのキーギリギリっぽいヴォーカルも気合いが入っていて、アルバム中でも最高の曲の一つ。 "Did You Steal My Money"はこれまたフーっぽくない曲調に、ピートがタイトルフレーズを呟き続けるバッキングヴォーカル、そしてロジャーが歌いづらそうなヴォーカルをとる曲。ラビットのシーケンスっぽいピアノこそ聞こえるものの、どう考えても弱い曲。 "How Can You Do It Alone"はファンキーというかレゲエ的というか、なんにせよキース在籍時には実現できなかったと思える曲だ。裏拍を強調したリズムの隙間を縫うのはベース。これまでのフーでは見られないリズム構造である。サウンドは結構シンプルで、メロディや構成も悪く無い。中盤の唐突なスコティッシュな音は何かと思うが。 後半は比較的クォリティ的にも満足が行くのだが、この"Daily Records"は若干弱い。明らかにピート向けのメロディラインであり、特にヴァースはロジャーには似合っていない。だがサビ前の流れはなかなかパワフルで一際光っている。 ジョンが作りロジャーが歌う"You"もパワー溢れるHRだが、"The Quiet One"にはかなわない。80年代の典型的HRと言う感じのサウンドで、前作くらいからのジョンの作風の特徴にもなっているものだ。この手の曲の例に漏れずメロディはマイナー調で、日本人受けしそうでもある。そんなワケで、俺は好きなのだ。アレンジにひねりが無さ過ぎる気もするが。 ラストナンバーの"Another Tricky Day"は"You Better
You Bet"と双璧をなす名曲で、最初と最後をガッチリしめてるのでこのアルバムがありきたりの駄作になるのを防いでくれている。2004年のツアーで復活したのもメンバーが気に入っている証拠では無いだろうか。 |
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