<基礎コースの詳しい内容と構成>
1.講座の内容
(1)コミュニケーションの基本としての対話術
ワークショップなどのグループワークであれ、会議であれ、相談であれ、すべての基本は対人コミュニケーションであり、その中心は、1対1の対話術です。こ
の講座では、対話術、とりわけ質疑応答の技法の習得に最も力を入れます。これまでとは一味違った対話の世界が開けること、請け合いです。
(2)関係作りの手法
社会的な活動を行う際、最も重要なことは、関係者、とりわけ私たちが教えたり手助けしたり、あるいはいっしょに活動したりする相手との関係作りです。互いの尊厳を高めあいながら、厳しい現実に向かい合うために必要な心構えおよび技法の習得を目指します。

(3)参加型ワークショップの勘所
ワークショップを始めとする参加型グループワークの進め方の基本を、
具体的なワークを通して学びます。すぐに使える効果的なツールも伝授します。
(4)ファシリテーションの組み立て
ファシリテーションが成功するためには、個々のツールや技法もさることながら、
全体の組み立てが最大の鍵となります。課題の全体像が見えない中で、いかにして活動を組み立て、流れを作っていくか、実践的な方法論を手ほどきします。
2.特徴
(1) 覚えて使えるシンプルな手法;
ファシリテーションの基本原則とコツをシンプルな形にメッセージ化したものを中心に紹介。
理論-技法-実践(経験)のサイク ルを意識しながら反復練習することで、
それらが覚えて使えるように全体を組み立ててあります。
学んだことを日常生活や仕事で練習するための画期的な訓練方法を、講座の中で伝授します。
たった数回の講義でも、確実に役立つのはそのためです。
マニュアル片手でなければ使えないような複雑で長ったらしい ものは現場では役立ちません。
(2) ワークショップにも対応;
参加型開発と教育/研修のためのツールも扱うことで、ワークショップのファシリテーションにも対応。
(3) 著作権フリー;
講義内容であろうとツールであろうと、紹介したものは原則すべて参加者各自が自由に活用できます。
3.講座の構成
1)ファシリテーションとは何か
①ファシリテーションはなぜ必要か;因果関係分析の罠
②セルフエスティームとファシリテーション
2)目からうろこの対話術
① 人間の現実を構成する3要素、それに対応する3種の質問
② 「事実をして語らしめる」対話術を習得する
3)覚えて使うための日常訓練
① 場面に応じたファシリテーションのタイプ
② 場数をこなす、体で覚える⇒参加者同士で練習
4)グループワークの手法
① グループワークのツールの紹介
5)ファシリテーションの組み立て方
①仮説を立てることの大切さ
②導入から落としどころへ向けて
なお、参加者の関心や進行の具合によって、上記の構成は変わることがあります。 Top
<受講者の声(従来のマスターファシリテーター講座のもの)>
【2009年度 神戸開催分の受講者から】
◆Nさん(教師)・09年11~12月講座受講者
「言葉を信じるな、しかし相手を信じよう」
この言葉には、学校教育への深い示唆を感じました。
学習者(参加者)が、何か感想を述べるときに使う言葉は、
事実との関連があいまいなまま受けとると、全く違ったものを見ているにもかかわらず、
いきなり自分の価値と照らして○とか×とかつけてしまうことになります。
学校で行われる多くの学習活動の「ふりかえり」「まとめ」が、まさにこれです。
教える側に、この子どもが(このひとりのかけがえのない人が)
どう生きてきたかという視点が抜け落ちているのです。
この人が、何を見、何を聞き、誰とどんなことを経験し、どんなコミュニティで大きくなり、
何を喜び何を悲しみ何を誇りに思い、どのように考え方や行動様式を培ってきたか・・・・・・
ここを置き去りにしてはいけないんだなあと改めて感じました。
「子どもはみんなよう似たもんや」「だからこうあらねばならない」「ゴールはここやで」的な学習活動が
積み重ねられるとき、これはもはや教育ではなく単なる教化でしかないのです。
子どもとともに、未知なる世界を創造していくために小さな授業の積み重ね、
共同活動の積み重ねでありたい学校現場です。
教師が思う方向に引っ張っていく学習ばかりではなく、「何が起こっても意味がある」と大きく構えて
子どもひとり一人をその生きてきた年月をたたえながらともにやっていけたらどんなにステキだろう。
4月から学校現場! がんばろうと思うことができた4日間でした。
「教育とは、未完成な人間が未完成な世界に批判的に介在し、世界を変革することを通して
自らを変革(開放)し続ける終わりのない過程である。」パウロ・フレイレ を思い出しました。
ありがとうございました。さらに学び続けたいと思います。
◆Aさん(国際研修コーディネーター)・09年11~12月講座受講者
ホームページの「参加者の感想の中にあった、
『目からうろこ』ってのは一体何なんだろう。」というのが知りたかったこと、
そして対人コミュニケーションの極意が学べることを期待して講座に参加しました。
”Why?"と尋ねない。"Self Esteem"(自尊感情)を尊重する。
そして、事実の積み重ねによる本人の気付きをひたすら待つ…など、
中田流の極意を実践するうちに、如何に自分が家族に対して
「あんたはもう、なんで…」というフレーズを多用していたのかを思い知り、
結論や意見をつい言ってしまう自分に気付きました。
今後は如何にして相手に気付いてもらえるような質問を繰り出せるかどうかが、
学んだことを実践していく中での鍵かなと思っています。
◆Kさん(NGOワーカー)・09年11~12月講座受講者
今回は、様々な分野で活躍されている方たちのお話を聞くことができ、自身の視
野を広げさせていただくことができました。
国際協力の分野にこれまで携わってきて、自分にとっては当然のように染み付い
ている事柄を、異なる分野で仕事をされている方に分かりやすく説明するよう心
がけたり、また、分野が異なっても共通である普遍的な人との接し方を学んだり、
やはり得るものが大きく、参加させてもらってよかったと思っています。
今は、もっとファシリテーションのことを勉強したいと思うし、自分が得た「考
える楽しみ」を、ローカルスタッフや他の人にも伝えたい、と思っています。
少しずつですが、自分の可能性を拡げていくことができるよう、精進したいと思
っておりますので、今後ともご指導の程、宜しくお願い致します。
◆Uさん(フェアトレード団体スタッフ)・09年7月講座受講者
ファシリテーターという言葉からは、グループファシリテーションを連想しますが
この講座では、いかなる場面でも応用できる、表面的ではない問題解決を目指す
深いアプローチのファシリテーション技術で、まさに「目からうろこ」でした。
「自分で気づいて実践したことしか身に付かない」といいますが、講座中にも
実践の時間を取っていただき、また宿題として次の講座までに日常生活の中で
実践の機会を持つ事ができるので、表面的な知識としてではなく、自分の体験として
学んだ事が頭に、心に浸透していくのを感じることができました。
普段の会話でも、「あ、今パーセプションで話をしているな」と気づく事も多くなり
相手の話を聞くという時にも、「なぜ?」という疑問詞を使わないように、そして
代わりに「いつ?何処で?」という疑問視を盛り込むことで、相手のその問題に対する
コミットメントの度合いや感情などが逆に浮き彫りになってくるということを経験し
人と向き合って話をすることが前よりも楽しくなりました。
また、自分自身の悩みについてファシリテートしていただくという大変貴重な機会を
いただきまして、自分の中に「ぽんっ」と答えが降りてくるような、
まるで魔法のような感覚を覚えました。
人に言われたらそれが正しいと頭ではわかっていても、その通りに従うことができない
ものですが、「事実を淡々と述べる」ことによって色んなものが浮き彫りになってきて
気づかされたことというのは「もう自分をごまかせない、嘘はつけない」という、
そんな感覚でした。
まだまだ表面的にわかったつもりになっているのかな?という感じもしますが、
是非次回は中級を受けたいと思っておりますので、それまでに、もっと日常会話や
ミーティングの中で意識的に学んだことを練習し、自分の理解を深めていきたいと思います。
ありがとうございました。
◆Mさん(診療内科医・医療ワーカー)・09年6月講座受講者
医療者は、患者と向かい合う時、様々な手法を用いて、その病態の本質をつかもうと努力する。
それは、ファシリテーターが、事実を導き出し、聞き出して、
よりよい方向に回りをも含めて教育していく手法と同じに思える。
家族療法では、家族関係を変えていくことで、問題になっている患者に気づきを
与え、自己変革を促したりすることを目的とする。
同時に、患者さんを取り巻く家族自身の教育も行っていくものである。
(関係が変われば自分も変わる、時に治療者も変えられる)
ナラティブ(物語的)なアプローチでは、患者さんが持つ問題を、
自身の個人史・物語の中での特別な意味として捉えなおすことから、問題点を追及する。
地域医療の現場では、医療者も現場へ、人の中へと出て行き問題点を探る、教育的手法も使用する。
医療と開発・協力のアプローチ法は、オーバーラップしているのを意識しながらも、
無意識の内で、なぜか区別していたようだ。
そうではなく、もっとダイレクトな形で重複し、今後も相補しあえるものであろうと感じた。
人間科学に裏打ちされた具体的なアプローチ法は、
医療面接の場面でも応用が利くものであり、非常に勉強になった。
受講を終えて、医療者が「疾患」のみをみるのではなく「患者さん」をみようとするとき、
Bio,Socio,Eco,Ethical といった心身医学的なアプローチはファシリテーティングとイコールに思えている。
◆Oさん(大学職員)・09年6月講座受講者
今まで、いろんな講座に参加する機会がありました。
講座開催中、その直後は、学び・気づきを得て満足して帰るのですが、
日が経つにつれて、その学び(の効果・記憶)が薄れていきます。
学びは実生活へつながらず、
結局、講座の場を共有する関心分野の近い仲間と行きついた単なる
「ごっこ」だったと気づくのです。何度となく、虚しさを感じたものでした。
そんななか、中田さんの講座は「使える」ものでした。
自分の身近な課題を題材にして、試し、検証していきます。
日常で試したことなので、なるほどと何度となくひざを打ちました。
じわじわと実感し、効いてくるのがわかりました。
中級編も参加したいです。
◆Fさん(NGOスタッフ)・09年6月講座受講者
今回の研修を一言で表してみると、常に自分の経験をAnalyzeする研修であった。
決して多くの枠組み及び分析方法を習ったわけではないのに、
それらを用いて過去のフィールドでの経験を客観的に分析すると
様々な失敗および成功の糸口が見えてきた。
経験を分析することでしか人は成長できないことを実感した。
また、参加者の抱えている問題を実際に解決するプロセスを体験してみると、
解決方法を提案したがる傾向が自分にあり、
相手の問題がどのくらい悪影響を及ぼしているのかという分析から始めることを、
自分への今後の課題として捉えることができた。
自分が変わらなければ相手も変わらない。
自分の経験・行動をとことん見つめ直すこと。この重要性に気付いた研修であった。
◆Mさん(NPOスタッフ。インドでの上級コースへも参加)
阪神・淡路大震災の復興まちづくり現場で、寄り添う外部者として様々な活動をしてきました。
ハードの復興が一段落すると、進捗の見える事業が少なくなりました。
地域の方は、目標に向けて意識をつくることも難しくなり、活動も少なくなりました。
その原因が、我々の地域の方やまちづくりへの寄り添い方にあったことも当然なのですが、
明確に何がどこのプロセスで、まずかったのかを表現できないまま気だけが焦っていました。
そんな時に、マスターファシリテーター講座を受講させて頂きました。
中田先生(そしてインドの和田先生)の経験に基づく分析を通して、学ぶことができました。
現場に戻り、我々は常に今はどこに何のために居るか、
どのように進んでいるのか、何をすべきかを、意識できるようになりました。
まだ現場の中でうまく立ち回りする事はできませんが、振り返れば、
次に向けて改良することを、気づくことができるようになりました。
ありがとうございました。
◆Nさん(会社員)
当初は受講料が少し高いと思っていましたが、
研修を終え、これまでの自分の会話を振り返る中で、
この研修でなければ気付けなかった点が多々あることに気付き、
参加できてよかった、そしていち早く身につけたいという思いでいっぱいです。
実際、今まで父親は話が長くてつまらないと思っていましたが、
研修で学んだことを父親との会話で実践すると、
これまで聞いたことのない家族に対する想いを語りだし、
聞き方により相手からの反応が全く違うことに驚きました。
研修で学んだことをビジネスでの交渉や日常での会話に活かしていきたいです。
【以前の受講者、Mさん(国際協力NGOスタッフ)の最近の感想】
◆私がこの講座を受けたのはもう2年近く前になりますが、
実践的な内容なので、活動の中で使うほど、じわじわ「効いて」きます。
「今の活動方法や仕事のやり方から、もう一段階、より良くする余地があるような気がする。
でも、何が足りないのかが見つからない」と感じている方がいらっしゃったら、
突破口を見いだす確かな指針として、特にオススメします。
【2007年10月実施東京講座の受講者から】
◆自分が気づいていなかった新しい世界を見たり考えることができ、大変刺激的でした。
同時に毎回強烈すぎて、講座が終わると、よろよろと魂を三〇センチほど空中に浮かしたまま、
家路についていました。(Sさん、教育研修団体職員)
◆研修が終了して以来、FactとPerceptionの違いに意識するよう努めておりますが、
日々その難しさを感じております。
ただ、それを少しは意識できる自分になれたことが何よりの収穫だったと考えているところです。
(Tさん、国際協力団体職員)
◆楽しみの講座が終了してしまい、心に穴の空いた?ような感じすらいたします。
教えていただいたツールは折に触れて、使用しています。なかなか好評です。
(Kさん、NGO職員)
【2007年5月~6月にかけて関西コースの受講者から】
◆Mさん(ネットワーク型NGO職員)
NGOで様々なコーディネーション業務を担当している私にとって、
問題解決の為のファシリテーションは必須スキルです。
でも、確固とした指針や先行事例の蓄積があるわけでもなく、
周囲の方達にアドバイスをあおぎつつ試行錯誤してきました。
しかし、そうして何とか目の前の問題に対処したとしても、
多忙な中で、ひとつひとつの実践をきちんとふりかえり、分析し、
次の機会に使える「経験知」として自分の中に蓄積する事は容易ではありません。
そんな折りに受講したこの講座では、中田さんが蓄積された貴重な経験知を学ぶだけでなく、
日々の実践の中から自分なりのやり方を作っていく為の視点や姿勢も
身につける事ができたと感じています。
ひとつひとつの問題を着実に解決する事で大きなビジョンを達成しようともがいている、
すべての市民活動関係者にお勧めします。
◆Sさん(研究機関スタッフ)
理論と実践のつなぎ目を検証することは、「言うは易く行うは難し」の典型例で、
理論と実践の双方に関わる者にとって永遠の課題といえるかもしれません。
この講座には、主に人間科学の観点から、
その困難な課題に自然に取り組むための糸口がちりばめられています。
実践に関わってこられた方々が、
この講座を通じて理論の魅力と出会っていただくことを願っています。
なお、この講座の内容は、手法の面ではビジネスの現場で必要とされるファシリテーションとも
相通ずるところが多いと感じました。従って、広い意味で対人援助の仕事をされている方であれば、
国際協力をはじめとするNPO/NGOの関係者だけでなく、
ビジネスの現場におられる方にとっても得るものがあるはずです。
◆Iさん(NGOスタッフ)
私は毎週往復6時間かけてこの研修に参加させていただきましたが、
「この研修なくして、今の私はない」と言っても過言ではありません。
コミュニティにおいて参加型で住民自らが決めた計画に彼ら・彼女らの行動変化が伴わないのはなぜなのか、
組織の中で理事会やスタッフ会議で決められたことが、行動変化へつながらないのはなぜなのか、
ボランティアが自ら動く時、何が彼・彼女を動かすのか。
そして、「わたし」が「わたし自身の行動変化を促進、阻害しているもの」は何なのか。
毎週研修を受け、業務に戻り、自分のコミュニケーションのとり方を見直し、
そして研修に戻り参加者全員でそこから学ぶ。
それを繰り返しているうちに、すべてに共通している普遍的なものに気付かされました。
なかなか社会に届かないコミュニティの人々の声が、
真に彼ら・彼女らのリアリティに即して、大きくなっていくために、
そしてその促進を使命とするNGOスタッフ自身の自己実現を達成するためにも、
ファシリテーターとしての「わたし」のあるべき態度、姿勢、心構えの基礎を学びました。
これは決して小手先のファシリテーションの技術なのではなく、
常に学んだことを意識することによって、今後も日々発展していくものです。
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