2009年7月22日、種子島〜奄美大島の間で皆既日食が起こりました。 今回の日食は太陽を隠す月の大きさが最大限に大きく、特大の月の影が通過していきました。 国内の陸地で見られるものとしては46年ぶりの、継続時間では今世紀最大級の、そして私にとっては初めての皆既日食です。 当日は近畿日本ツーリストの日食ツアーにて奄美大島へ遠征し、北東部の海岸・宇宿漁港にて撮影を行いました。

望遠レンズで撮影した日食写真と、標準レンズでの日食中の空や周りの様子を織り交ぜてご紹介します。

<撮影日時> 2009年7月22日
<撮影地> 鹿児島県奄美市笠利町・宇宿漁港にて (N28゜26′31" / E129゜42′51")
<カメラ1> ニコン D5000 + 望遠レンズ Nikkor 70-300mm(望遠端)/ISO400/バーダープラネタリウム社 アストロソーラーフィルターにて減光
<カメラ2> ニコン D70 + Nikkor 18-70mm
<画像処理> Adobe Photoshop CS4 Extendedにてトーンカーブ・カラーバランス・シャープ処理等

開設: 2009/07/29
最終更新: 2009/08/15


★ 皆既日食帯への旅路

< 7月21日 >  悪石島を通過


撮影日時: 2009/07/21

日食前日の2009年7月21日、鹿児島新港よりフェリー「クイーン8」にて奄美大島へ出発! トカラ列島の島々も見ることができました。写真はフェリーの甲板から撮影した皆既日食前日の悪石島。メディアにも注目された日本で一番皆既中心線に近い島だったのですが、ご覧の通り前日も曇っています…。

そして深夜、フェリーは名瀬港へ到着。そのままバスで奄美市笠利町にある太陽が丘総合運動公園へ。ここが我々日食ツアーのテントサイトでした。今回のツアーは料金が高いのに宿はなく、島では各自テントを張って寝泊り、フェリーでは大勢で雑魚寝と、まるで合宿のようなツアーでした。



< 7月22日 >  奄美大島、日食当日の朝。運命の天気は?!


撮影日時: 2009/07/22 レンズF値 : F5.6

朝、起きてすぐにテントを開けて天気を確かめると、にわかに薄日が差していました。しかし最新の天気予報では奄美地方「曇りのち雨」の絶望的な予報が出ていたので、とても心配です。皆既日食となる午前11時までもつかどうか…。

< 7月22日 > 太陽が欠け始めるまであと1時間。宇宿漁港へ到着!


撮影日時: 2009/07/22 レンズF値 : F5.6


撮影日時: 2009/07/22

近畿日本ツーリスト側からは、日食はテントサイトから各自好きな場所へ移動して見て良いことになっていたため、私は地図を見ながらツアーが推奨している海岸へ歩いていきました。奄美空港のすぐ横にある「宇宿漁港」です



★ 皆既日食in奄美大島 全経過

< 09:34 > 月が接するまであと 1分


撮影日時: 2009/07/22 09:34 露出時間 : 1/1600秒  レンズF値 : F5.6

月が太陽に接する直前です。太陽はまだ普段通り、真ん丸い形をしています。
この頃、奄美大島の宇宿漁港では薄曇りで、薄雲を通して太陽が照っている状態でした。
皆既日食になるまでこの状態が続けば良かったのですが…。

< 09:37 > ついに第1接触! 太陽が欠け始めて 2分経過。


撮影日時: 2009/07/22 09:37 露出時間 : 1/2500秒 レンズF値 : F6.3

月が向かって上のほうから太陽を隠し始めました!
太陽の上端がわずかに凹んでいるのが判りますね。
あらかじめ欠け始める時刻は09時35分と判っていましたので、09時37分にこの画像撮影後、ディスプレイを確認して太陽が本当に欠けているのを確認できたときには「本当に日食が始まった!」と喜びました。
太陽はこのまま、皆既日食へと向かいます。

マスコミ襲来?


撮影日時: 2009/07/22

上空ではマスコミと思われるヘリがぐるぐる周回しており、注目度の高さを窺い知れます。今頃テレビの日食中継で三脚を立てる我々の姿が捉えられているかも…。携帯電話のワンセグが受信できなくて残念でした。

< 09:43 > 太陽が欠け始めて 8分経過。 どんどん欠けてくる!


撮影日時: 2009/07/22 09:43 露出時間 : 1/2000秒 レンズF値 : F5.6

太陽が徐々に欠けてきました。デジカメのディスプレイで確認した後、日食グラスでも欠けているのを確認できました。

< 09:49 >


撮影日時: 2009/07/22 09:49 露出時間 : 1/2500秒 レンズF値 : F6.3

部分食では月の全体像は見えませんが、ちょうど民主党のマークのように2つの円が上下に重なっている状態を想像できますね。

< 09:54 >


撮影日時: 2009/07/22 09:54 露出時間 : 1/3200秒 レンズF値 : F8.0

< 10:00 >


撮影日時: 2009/07/22 10:00 露出時間 : 1/2500秒 レンズF値 : F6.3

< 10:06 >


露出時間 : 1/2500秒 レンズF値 : F6.3

やはり今回は皆既日食! これまでに見た普通の部分食と違って、食の進行スピードが早い! そして月の進む方向はピッタリ太陽と重なる方向!!

わずかに欠けていた太陽がみるみるうちに侵食されてきて、その早さに焦りました。気が付けば1997年3月9日に見た大規模部分日食(65%の食)に近づいてきました。本番がどんどん近づいてくるので、天候のことなどすっかり忘れてしまいます。

そして気が付いたら、徐々に雲が厚くなってきていました。

< 10:12 〜 10:18 > 薄雲が厚くなり、欠けた太陽の姿はおぼろに…。

撮影日時: 2009/07/22 10:12 露出時間 : 1/2500秒 レンズF値 : F6.3 撮影日時: 2009/07/22 10:18 露出時間 : 1/320秒 レンズF値 : F5.6

この頃から奄美大島上空では薄雲の水蒸気量が増したようで、望遠レンズで撮影する太陽像はひどく滲んで輪郭がはっきりしなくなりました。一番イヤな空です。

ちなみに画像がザラついているのはカメラのISO感度が私の不注意で400に設定されたためです。とうとう最後までISO400の犠牲になっていることに気付きませんでした。大切な撮影で初歩的なミス、なんと情けない…。というか、なぜ私は部分食の早いうちにISO400に設定したのだろう、自分でもわからない…。

< 10:24 〜 10:30 > 太陽は半分以上欠けた! でも、このまま曇られてしまうのか…。

撮影日時: 2009/07/22 10:24 露出時間 : 1/100秒 レンズF値 : F5.6 撮影日時: 2009/07/22 10:30 露出時間 : 1/60秒 レンズF値 : F5.6

太陽の輪郭は判別不可ですが、ぼんやりと細くなった太陽の様子は判ります。辺りの様子も次第に薄暗くなってきました。
辺りは、とうとう私の体験したことがない「7割以上欠けた太陽」のもたらす不気味な世界です。

< 10:35 > ついに8割! 薄雲ごしに、三日月のような太陽!


撮影日時: 2009/07/22 10:35 露出時間 : 1/40秒 レンズF値 : F5.6

日食メガネ


撮影日時: 2009/07/22

ツアーでもらった日食グラス(奄美大島限定版)。薄雲ごしに太陽がぼんやり輝いているものの、ずいぶん薄暗くなってきたのでフラッシュ撮影です。また、雲が厚いために日食グラスでは太陽像は見えなくなりました。ちなみに画面下に写っているのは私の機材です。デジタル一眼レフカメラ「D5000」に、金属膜のフィルターを装着した望遠レンズを取り付けています。

< 10:43 > 雲が少し薄れてきた! ここから薄雲ごしのノーフィルター撮影に切り替え。


撮影日時: 2009/07/22 10:43 露出時間 : 1/4000秒 レンズF値 : F45.0

悪石島では暴風雨となって部分食すら拝めなかった頃ですが、その少し南、ここ奄美大島では微妙な空模様ながら、ご覧のように三日月のように細くなった太陽を撮影することができました。ただ、写真には淡く太陽像を捉えることができましたが、肉眼では太陽は滲んでいて、形は判らなかったのです。日食フィルターごしに眼視で太陽を見ると薄雲の影響で何も見えなかったので、ここからもう望遠レンズに取り付けていた「アストロソーラーフィルター」は取っ払いました。そう、ここから先はフィルターなしの撮影です! 辺りもどんどん、曇天時の日暮れのような雰囲気に包まれてきました…。本曇りに近いため太陽が欠けてきているという実感が薄かったのですが、「真昼間なはずなのに、日が暮れる!」という非日常な世界を体験できました。

< 10:48 > うわ! 太陽が、もうこんなに細い!


撮影日時: 2009/07/22 10:48 露出時間 : 1/4000秒 レンズF値 : F13.0

気が付けばもう皆既日食まであと7分となっていました! カメラはインターバル撮影の間隔を30秒おきから10秒おきに設定変更し、いよいよ第2接触に備えます! 辺りはすっかり曇りの日の夕暮れのようになり、皆既日食だとわかっていても「日が暮れてきている」と勘違いして平然としている自分に気付きました。そう、あたかも今が午後6時〜7時頃のような気分です。そのように脳が勘違いすることで、皆既日食が迫っているという興奮が鎮められていたのです。そのため、「皆既まであと○分!」「これは夕暮れじゃない!」と周りの撮影隊に聞こえるぐらいに自分に強く言い聞かせていました…。

< 10:50 > 皆既日食まであと5分!


撮影日時: 2009/07/22 10:50 露出時間 : 1/3200秒 レンズF値 : F7.1

薄雲ごしなのでコントラストは低いですが、すっかり細くなった太陽の輪郭が判ります。この頃、肉眼ではおぼろな太陽の光がぼんやりと見えているだけでしたので、写真ではくっきりと写っていることに気付きませんでした。望遠レンズのピントリングをテープで固定していた甲斐がありました。

< 10:52 > 皆既日食まであと3分!


撮影日時: 2009/07/22 10:52 露出時間 : 1/2500秒 レンズF値 : F6.3

< 10:53 > 皆既日食まであと2分!


撮影日時: 2009/07/22 10:53 露出時間 : 1/2000秒 レンズF値 : F5.6

線のように細い太陽! 皆既日食2分前です! もう、この頃になると辺りは加速度的に暗くなり、日が暮れたような暗さになりました。太陽がおぼろに透けて見えているベタ・薄曇りの空は、急に夕立の雨雲のようなドス黒さに変貌。それにも関わらず太陽はドス黒い雲の中で普通におぼろな光を今まで通り放っていて、とても不気味でした…。それはまるでこの世の終わりのような、神が光臨するかのような、とてつもなく不気味で暗いけれどなぜか平穏な空、でした。そんな空を見上げ、かつて体験したことのない空と地上の様子を横目にしても、撮影で忙しくあまり浸ることができませんでした。 この頃から落ち着かなくなり、コントロールが利かなくなって撮影ではミスを頻発するようになりました。この写真はというと、オート露出のインターバル(自動)撮影のものなので、失敗なく撮れたわけです。さあ、いよいよダイヤモンドリングっぽくなってきました。

<10:55> 空が暗くなってきた。…もうね、月夜かと!


撮影日時: 2009/07/22

薄曇りの天気ならではの日食時の異変です。太陽が透けて見える薄曇りなのに、食が進むにつれだんだん雲が重たくなり雨雲のように見えてきました。日食の進行に伴う暗さを最も反映するのは上空にある雲だったのですね。暗黒の雲から透けて輝く太陽…、ここが地球とは思えない幻想的な光景でした。

< 10:54 > 皆既日食まであと1分!


撮影日時: 2009/07/22 10:54 露出時間 : 1/640秒 レンズF値 : F5.6

ついに第2接触まで秒読み! 残されたのは太陽の淵の一部分だけ! 糸のように細くなった太陽は、もう間もなくダイヤモンドリングです! この写真は10秒おきのインターバル撮影で射止めた作品です。もちろん覗きながらシャッターを切ったわけではありません。第2接触1分前ともなると、辺りの様子は空・地上共に急変してきますので、もう一台の標準画角レンズの一眼レフのほうで地上や空の全体撮影に専念していました。

実を言うと、望遠レンズのカメラではこの写真のように糸のような太陽が適正露出で写せているなんて、夢にも思っていませんでした。

< 10:54 > 皆既日食まであと30秒!


撮影日時: 2009/07/22 10:54 露出時間 : 1/640秒 レンズF値 : F5.6

前の写真の27秒後の様子です。細く残された太陽の「線」がさらに短くなり、ベイリービーズを伴わずに第2接触を迎えようとしている様子が判ります。マスコミが「今世紀最大の…」と謳っていたように、今回の皆既日食では隠される太陽の大きさに対する月の大きさが最大級なのです。そのため、太陽の線が取り残されて、それが徐々に短くなって消える、という特殊な経過を見せました(リアルタイムで見たわけでなく、自動撮影されたこれらの写真から…)。

難しい話はさておき、第2接触直前の切羽詰った状態で、露出値の調整もせずによくこんなくっきりとした写真が撮れたものです。誰が見ても太陽の輪郭が写せるとは思えない、おぼろな薄曇りの空だったのに…。

< 10:55 > 太陽が消える寸前! ダイヤモンドリング状態!!


撮影日時: 2009/07/22 10:55 露出時間 : 1/400秒 レンズF値 : F5.6

奄美大島・宇宿漁港での第2接触(皆既日食が始まる瞬間)の時刻は10時55分ですので、まさにこの写真は第2接触の数秒前だと思われます。太陽は、丸い淵のごくごく一部分が糸切れのように残っているだけ!
ダイヤモンドリング撮影には思いきり露出アンダーでした。この写真は1/400秒露出で撮影してしまいましたが、まさか雲越しに太陽が写ってくれているなんて思いもしていなかったので、最初からダイヤモンドリング狙いでは撮っていなかったのです。多分、この状況では1〜2秒の露出をかけてもコロナは写らなかったと思います。ですので、ダイヤモンドリングを超・露出アンダーで撮るとこうなる、という10万近い旅費をはたいて出向いた『世紀の天体ショー』の最中に誰もやらない実験的な撮影を試みた貴重な作品、とでも見て下さい…。 このあと、北西の方角から雲が急激に暗くなってきて、辺りもストーンと一気に暗くなりました。それまでの「徐々に暗くなる」のとは桁違いで一気にサッと暗闇に包まれる感じです。

< 10:54 > 急に暗くなる!


撮影日時: 2009/07/22 10:54 露出時間 : 1/5秒 レンズF値 : F3.5

こちら(北西)のほうが急激に暗くなっているのに気付きました。まさに月の影が向かってくる方向です。この頃、ちょうど第2接触(皆既の始まり)です。

< 皆既日食 > 地平線付近は夕焼け色に!


撮影日時: 2009/07/22

ついに皆既日食が始まりました! く、暗い! この風景写真では左から月の影が押し寄せているのが判りますね。
写っている方向は北東の方向です。こちらは皆既食の時に唯一天気の良かったとされる喜界島のある方角にあたり、地平付近がうっすら晴れていますね(この時、頭上の「黒い太陽」は薄雲にかき消されて全く見えていませんので念の為)。ここ奄美大島では黒い太陽こそ拝めませんでしたが、皆既日食特有の夕焼け色と本影錐の移動だけは堪能できました。地表面よりも空のほうがうんと明るいのが印象的です。本当の夕暮れの時にはこのようにはなりませんので、まさに月の影がもたらした、非日常の夕闇なのですね。画面向かって左のほうが暗く、月の影の中心方向にあたります。遠くにいる観測隊の皆さんのシルエットが印象的です。 また、デジカメの光も点々と輝いています。

< 皆既日食 > 「真昼の夕焼け」


撮影日時: 2009/07/22

部分食の頃は薄雲ごしに見えていた太陽ですが、皆既日食開始(第2接触)後は、淡いコロナだけが輝いているだけですので、薄雲にかき消されて見えなくなりました。太陽に向けていた望遠レンズ搭載カメラのファインダーを覗いても「黒い太陽」は全く見えません。皆既日食のコロナ撮影は諦めました(また次回!)。

とはいえ、わずか3分間の貴重な皆既日食。何も撮らないわけにはいかず、急遽、望遠レンズを地平線方向に向けて、なんと手押しで2秒露出のシャッターを押しまくりました(太陽が写らないという想定外の状況に取り乱していただけ)。その中で運良くブレていない一枚。地平線付近の日食特有の夕焼け色と皆既日食に浸る人々の様子を、予定外の望遠レンズにて大迫力に切り取れました。

< 10:56 > そして太陽は?!。…あれ?!


撮影日時: 2009/07/22 10:56 露出時間 : 1/25秒 レンズF値 : F5.6

皆既日食の闇に包まれ、ベタ薄曇りの空に輝いていた、おぼろな光(太陽)がスッと消えました…。消える瞬間だけははっきりと肉眼で見ました。1秒ぐらいでスッ、と…。しかしその後。コロナなんて、黒い太陽なんて、見えません…。
ただ、不気味に冷たい風が吹き、人々は歓声を上げ、空に向けて掲げられている日食ウォッチャーのデジカメの光が輝いています。

< 10:55/皆既日食 > すっかり”夜”


撮影日時: 2009/07/22 10:55 露出時間 : 1/6秒 レンズF値 : F3.5

左の方角は月の影の中心に当たります。こちら側の空は厚い雲に覆われていますね。それに加えて月の影の中心方向でもあるので、一段と雲が黒いです。辺りはすっかり夜になりました。それでも反対方向(影の外側)が晴れて明るかったので地表は薄明るく照らされ、期待していたほど真っ暗にはなりませんでした。10年以上もの間、皆既日食の暗闇に憧れてきた私は「この程度の暗さか」と少しがっかりしたのも事実です。もし本曇りだったならば真っ暗闇を体験できたのかもしれません。

< 10:57/皆既日食 > UFO上陸!


撮影日時: 2009/07/22 10:57 露出時間 : 1/8秒 レンズF値 : F4.0

皆既日食の最中、宇宿漁港のすぐ隣にある奄美空港へ向け、飛行機が着陸しました。皆既日食にあわせて着陸するフライトなのでしょう。飛行機のライトが眩しく光り、今が「夜」であることを実感しました。太陽を撮るつもりだった望遠レンズで無理やり狙ったので三脚がグラついてひどく手ブレしているのはご愛嬌といったところでしょうか。とにかく落ち着かないのです、皆既日食中の作業は。

悪石島、というかトカラ列島方向の北の空は一段と暗くなっており、ここが皆既帯の端であることを実感できました。

< 11:00 > 太陽が復活!


撮影日時: 2009/07/22 11:00

10時59分。薄雲の中に太陽の輝きがスッと戻りました。奄美大島・宇宿漁港での皆既継続時間は約3分。今回の皆既帯の中では短いほうですが、初めて体験する皆既日食は本当にあっという間でした。そろそろ終わる、と思ってはいましたが、本当にあっという間に明るさが戻りました。ベタ薄曇りの空にも、ポツンと消えていた光が戻りました。

< 10:59/第3接触 > 月の影が去る!


撮影日時: 2009/07/22 10:59 露出時間 : 2秒 レンズF値 : F4.0

第3接触の頃です。露出オーバーで白飛びしていますが、左半分はまだ月の影の中で、右半分は本影の外という状況だと思われます。撮影で忙しくて肉眼では見ていなかったのですが、左の世界(皆既日食中)では夕焼け色が確認できますね。一方、右は真っ白。普段太陽がどれだけ強烈な光を放っていたのか実感できますね。

< 11:02 > 太陽が復活!


撮影日時: 2009/07/22 11:02 露出時間 : 1/4000秒

皆既日食が終わり、太陽が戻ってきました。皆既になる前とは上下反転した形ですね。今回は月の視直径が大きいため、皆既食前後の太陽の円弧が半円よりも短い形をしているのが特徴的です。そして、皆既日食は終了したのです。

その後、日食中にトカラを襲っていた悲劇の雷雨が奄美にも押し寄せてきて、後半の部分食は完全に見れず、昼過ぎからはテントサイトに戻った我々に皆既日食を見た(体験した)代償と言わんばかりに暴風雨に見舞われたのです。特に深夜、奄美大島北部では雷と暴風雨に襲われ、洪水でテントが浸水するのでは、風でテントが吹き飛ばされるのでは、雷がテントに落ちるのでは、という恐怖を味わいました。嵐は1〜2時間で収まったので被害なく済みましたが…。

皆既日食の時間は短い

今回の初めての皆既日食では、部分食が半分ぐらい進んだところでカフェインの入った眠気防止薬を飲みました。貴重な皆既日食の3分間に活動力を上げるための作戦です。カフェインにはリラックス効果と頭の回転を速くする働きがあり、作業効率もUPするのです。私は特にカフェインが効きやすい体質なので、眠いときにコーヒーなどを飲むと20分ほどで超シャッキリします。積極的にあれこれ行えるようになります。それを利用したのですが…。しかし、今回の場合は初皆既日食ということもありハイになりすぎてアタフタしてしまい、第2接触直前で連続撮影をやめてベイリービーズを撮り逃したり、皆既中の風景撮影では手押しでがむしゃらにシャッターを押しまくってブレ画像を量産してしまいましたが、それはそのせいだったのかもしれません。ハイになりすぎても失敗する…皆既日食中の活動はなんとも難しいものです。

 

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