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ここでは、2004年6月8日の金星日面通過について解説致します。

(2004/05/24 Opened 2004/06/07 LastUpdated)

(1) 解説FLASHムービー
(2) 122年ぶりの現象
(3) 金星日面通過=金星最接近
(4) 金星の写真記録 (2003.12-2004.5)
(5) 6月8日の天気
(6) 太陽をそのまま見るのは危険です。
▼ 画像はこちらに掲載中。

金星日面通過の画像&動画を掲載しています。


PRECIOUS ORION - プレ天文 - 金星日面通過 - 解説FLASH
金星日面通過

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2004年6月8日に起こる金星日面通過の解説FLASHムービーです。
このムービーで、金星日面通過の擬似体験ができると思います。
なお、金星の位置・視直径等はステラナビゲータを参照しました。
なお、再生にはマクロメディア・フラッシュプレイヤー・プラグインが必要となります。
(04/05/24)


金星日面通過 ポイント (1)

122年ぶりの現象

 金星の日面通過は、非常に珍しい現象です。前回の金星日面通過はなんと122年前! 日本では130年ぶりです。「水星の日面通過」ならば5〜6年に1度ぐらいの割合で「しょっちゅう」見られますので珍しくないのですが、水星は金星よりも小さい上に遠いので、水星の日面通過はつまらなく感じます。金星の場合は、はっきりと真ん丸い大きな円が太陽面を動いていきますので、水星の場合と比較するとうんと大迫力なのです。

 金星日面通過という現象は、地球上では約120年に2セットずつ見られます。「2セット」というのは、「8年おきに2回」という意味です。つまり、約120年おきに(8年の時を隔てて)2回ずつ見られる、という周期性があるのです。このことからも判るとおり、前回は122年も前でしたが、次回はたった8年後に見られます。とはいえ、その次は100年以上も後になりますので、我々が生涯の中で見ることができる金星日面通過は今回(2004年)と次回(2012年)の2回きりしかありません。それだけに、今回の金星日面通過という天文現象は、皆既日食や火星大接近、大流星雨などよりも、うんと珍しいのです。もし天気が悪ければは飛行機に乗って晴れの地域へ遠征するぐらい価値があります。


金星日面通過 ポイント (2)

金星日面通過 = 金星最接近

 金星日面通過とは、すなわち金星による日食です。とはいえ、上のムービーを見ても判る通り、普通の日食(月による日食)と比べて、隠す側の天体=金星があまりにも遠く小さいので、パッと見ただけでは太陽が欠けているのは判らないほど小規模な日食です。ですので、金星日面通過を見るためには望遠鏡で拡大して見る必要があります(減光処置を忘れずに)。ただ、金星は視直径が大きいので、太陽面に現れる黒点よりもうんと大きく見えますので、日食フィルターを目にかざして太陽を見ただけでも太陽の中にポツンと黒い点(金星)が見えるかもしれません。ぜひ、肉眼でも金星が見えるかどうか、試してみてください。

 また、日面通過(地球最接近)の時の金星は、地球に最も近づいた状態です。この時、「太陽-金星-地球」が一直線に並んだ状態になっています。そのため、金星は一番地球に近く、最も遠いときの約6倍の大きさに見えます。その大きさは、太陽の1/30もあります。ちなみに、去年マスコミでも騒がれた「火星大接近」の火星の大きさと比較しても、2倍以上も大きく見えます(但し今回の金星は黒いシルエットとしてしか見えませんが)。

 注意点: 122年ぶりの金星日面通過ですが、122年ぶりの金星大接近ではありません。 金星は1年半おきに地球に接近しています(ただし内惑星なので最接近の頃は内合となり殆ど見えませんが)。今回の金星の「接近」が珍しいのではなく、「太陽の前を横切る」ことが122年ぶりの珍しい現象なので、誤解なさらないように。
ともかく金星の日面通過は約100年おきにしか見られない、大変価値の高い天文現象なので、今回の現象は絶対に見逃せません! 実を言うと8年後の2012年にも、もう一度金星日面通過が起こりますが、これはあくまでも今回の天気が全滅の時のための「予備」と考えておき、とにかく今回の金星日面通過は一世紀に一度の天文現象という心構えを持って、観測には全力を注ぎたいものです。


写真で見る金星の外合からの歩み

金星の写真記録 (2003.12-2004.5)

20cm反射望遠鏡とデジカメで撮った金星の写真記録です。
金星が地球に近づいて大きくなりながら欠けていくようが判ります。
※ 画像の無断転載は禁じます。


2003年12月10日撮影

 この頃の金星は地球からもっとも遠く離れる「外合」から間もない時期でしたので、見かけが小さいです。

2004年 3月30日撮影

 東方最大離角の日の金星です。東方最大離角とは、太陽から最も離れた位置にくる時のこと。つまり、地球から見る金星は太陽光が真横から当たり、半月状に見えるのです。

2004年 5月23日撮影

 金星日面通過も押し迫った先月5月下旬に撮ったものです。金星は、見かけ上太陽に近づいてきたので、金星の後ろ側から太陽光が差すようになり、三日月状に見えています。また、地球に近づいてきたため、うんと大きく見えています。この金星が「新月」となるのが6月8日の内合=日面通過の日。

 
 


金星日面通過 ポイント (3)

6月8日の天気

 今回はあいにく梅雨時の現象となりますので、全国的に天気が心配です。6月7日17時発表の最新の天気予報では、北海道北部(稚内方面)を覗いて、全国的に曇りや雨と出ています。梅雨前線や低気圧が日本列島を丸ごと覆ってしまう形になっています。関西〜中部〜東北にかけては雨の予報が出ており、絶望的です。しかし、関東では薄雲を通して見られる可能性がありそうです。九州では、低気圧が早く進めば西のほうから天気が急速に回復しそうなので、九州も日没頃になれば晴れてくる可能性がありそうです。九州に住んでいる私は、国内線の飛行機に乗って雲の上に出て撮影しようかと計画を立てていましたが、往復飛行機代が惜しいのと、望遠鏡を持っていけないのとで、飛行機作戦はあきらめようかと迷っています。地元で雲が切れてくるのを待つことにします。

 重要なのは、太陽は薄雲を通しても見える、ということです。本曇りでも、雲をよく観察して、太陽のある付近の雲が明るいようであれば、薄雲ごしに太陽が見られるかもしれません。雲が減光効果をもたらすので、薄曇りの場合はかえって見やすいかもしれません。もちろん、雨が降るような最悪な天気では「薄雲ごし」は期待できません。とりあえず、「曇り」の予報でも諦めずに粘ってみたほうがいいでしょう。


金星日面通過 ポイント (4)

太陽をそのまま見るのは危険です

 太陽を見る場合は、日食用の減光フィルターを目にかざして見るようにしてください。そのまま太陽を見ると、眩しいだけでなく、眼に害が及びます。日食フィルターが入手できない場合、ガラスにススを付けたりしたもので代用することもできます。ただ、今回は日食ではなく太陽の中の金星を見るものなので、望遠鏡で拡大して太陽の中のまん丸な金星を見てみたいものです。ただし、望遠鏡を使って太陽を見る場合は非常に危険を伴いますので、ぜひとも注意して下さい。

 突然ですが、この世界には見てしまうと身体的ダメージを受けるものが一つだけあります。それは、(フィルターなしの)望遠鏡で見る太陽です。望遠鏡で太陽を覗くと、目に強烈な太陽光が集められ、目は一瞬にして焼け焦げてしまいます。これが、俗に言う「目玉焼き」現象です。ですので、本当に太陽だけは望遠鏡で見ないのをお勧めします、というか絶対に見ないで下さい。

 その証拠に、私は以前こんなことを試したことがあります。反射望遠鏡で太陽を導入し、覗くべき接眼レンズの先端に紙を置いてみました。すると、瞬時にしてもくもくと煙が上がり、紙は勢いよく焦げました。炎までは出ませんでしたが、虫眼鏡で紙を焦がす時以上の威力で紙が焦げました。もしこれが紙でなく目だったらと思えば、目玉焼き現象の怖ろしさが実感できるでしょう。

 そんなわけで、当日、金星日面通過を見る際、太陽を望遠鏡で見る場合は必ず鏡筒を覆うタイプの減光シートを付けて見るか、安全な「投影法」で見るようにしましょう。または、公開天文台へ足を運べば、100%安全に太陽を見せてもらえます。


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