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2003年夏〜初秋、火星は地球に「大接近」した。 最接近時の火星は、−3等級になった。 この秋、夜空を見上げれば、赤く明るく輝く火星の輝きが、 まだまだ目立っている。 そんな、接近中の火星の姿を ぜひ望遠鏡で見よう。 |
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| 10月、火星観望の絶好期! もう表面模様は見えにくいかも 8月〜9月にかけて地球に大接近した火星ですが、まだまだ火星は地球からそんなに遠ざかっておらず、まだまだ「中接近」の規模を保っています。つまり、1999年の火星最接近時と同じ大きさで見ることができるのであり、まだまだ火星から目が離せません。とはいえ、今年の最接近時(8/27)は視直径25″角だったのに、現在ではもう17″角にまで小さくなりました。つまり、現在(10月中旬〜下旬)の火星は、最接近8/27の火星と比べて2周りほど小さくなったといえます。ですが、皆さんお気づきの通り、現在の火星は日没後すぐ(午後7時)南東の空で輝くようになりました。つまり、最接近時のように火星がよく見える深夜になるのを待たずとも、宵のうちに火星を見ることができるようになったのです。ですので、就寝の早い小さいお子様を含め、多くの人にとって火星が見やすくなってきたわけであり、現在(10月)は火星観望の絶好期といえましょう。さすがに火星が小さくなったために最接近時と比べて表面模様はなかなか見辛いかもしれませんが、多くの人に火星を見てもらいたい10月〜11月です。 |
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| − 火星大接近について (接近のメカニズム) − | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
図1: 地球と火星の公転運動による動き (2003年6月〜8月) ![]() |
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| ■ 火星に近づいていく地球 内側を廻るのが地球、外側は火星である。 この図を見ても判るように、実は、公転速度の速い地球のほうが自ら、火星に近づいていくのだ。 地球と火星は、それぞれ円を描くように公転運動を繰り返す中で、地球が外周の火星に追いつくような形で、2年2ヵ月周期で接近する。しかし、よく両方の円軌道を見比べてほしい。そう、両軌道は同心円状でなく、片寄っているのだ。 この軌道の「片寄り」こそが、2年2ヵ月周期の「接近」の距離の違いを生み出す。上の図で、内側の地球軌道、外側の火星軌道の間隔が大きく開いている部分で「接近」となれば、最も接近している時でも火星はそれほど大きく見えない。一方、軌道の間隔が最も狭まっている部分で「接近」となれば、見て判るように、地球と火星との距離は「ありったけの近さ」での、文字通り「大接近」となる。 そう、今年2003年の地球・火星同士の接近は、この「ありったけの大接近」という特別な大接近になるのだ!!実は、こううまくピンポイントで軌道の間隔の狭い部分で地球と火星が出くわすのは、非常に珍しい。先述の通り、火星接近は2年周期で起こるのだが、今年ほど火星に近づくのは珍しい。 つまり、今年の火星は、最接近距離が「最大規模」の特別な大接近なのであり、「ありったけに大きく見える」火星の姿を見るチャンス! 変な例えをするならば、好きな恋人に目一杯近づいて、顔の小じわや毛髪の一本一本までも見えてしまうほどの距離で「素顔」をじっくり観察するチャンス到来、ということだ。 もちろん、肉眼で火星を見上げても、普通の星と同じで光の点にしか見えないので、火星の姿を見るには望遠鏡が必要だ。望遠鏡で拡大すれば、火星表面のバラエティーに富んだ黒い模様を見て楽しむことが出来る。また、火星の南極地方が真っ白い氷(ドライアイス)で覆われているのも見える。 ぜひ、皆さんも火星表面のスケッチを取ってみよう。火星は24時間半で自転するので、時間をおいて火星を見ると表面模様が動いていくのが判るのだ。火星観測は楽しい。デジカメをお持ちの方は、ぜひ火星の撮影にもチャレンジされたい。 |
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図2: 火星の光度変化 (2003年5月21日〜9月30日の光度推移) ![]() |
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■ 最接近日は8月27日 図を見ても判るように、2003年6月、そして7月は、ぐんぐん火星が明るくなっていく。6月下旬には、全天一明るい恒星であるシリウスよりも明るくなり、その輝きは徐々に派手さを増してゆく。 7月下旬ともなると、ついに−2等台の大台に突入! 木星並みにまで明るくなり、真夏の空にひとり煌々と輝く火星の輝きが、多くの通勤帰りの人々の目を引く事だろう。 そしていよいよ2003年8月下旬、火星は最大級の最接近となり、その輝きは凄まじいものだ。太陽系9惑星の中で唯一金星だけしか踏み入った事のない−3等台に届くのだから!。(正確には-2.9等止まりという計算結果もあるが。) また、表を見ても判るように、最大級の最接近となる8月27日を挟む前後約2週間の間は、火星の光度(視直径)は横ばい状態である。つまり、最も大きい火星が見えるのは8月27日だけでなく、8月中旬〜9月初旬もの長期にわたって楽しめる事になる。なので、火星が最も近づいている8月中旬〜9月初旬は、焦らずゆっくりと、火星を見て楽しもう。 |
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| − 火星を見よう! − | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ 火星を見るには望遠鏡が必要 この夏、いくら火星が大接近しているとはいえ、夜空にそのまま火星の丸い形が見えるわけではない。あくまでも、望遠鏡で見た場合の火星が、例年以上に大きく見えるだけのことである。肉眼で見上げた火星は、普通の星と同じで、あくまでも光の点にしか見えないのだ。とはいえ、その光の点としての火星は、不気味なまでに明るいので、望遠鏡を持っていなくとも、「明るくて赤い星」の輝きはそのまま肉眼で見て楽しむことができる。 9月には中秋の名月が訪れる。多くの人が月見をするだろうが、その際、火星の強烈な輝きが多くの月見客の目を引くことだろう。 さて、火星を見たくても、望遠鏡をお持ちでない方も大勢いるのではないだろうか。そんな場合は、ぜひ天文台へ足を運び、大口径望遠鏡で火星を見せてもらおう。天文台の望遠鏡は口径が大きいので、市販の望遠鏡と比べて段違いに鮮明な火星の姿を見ることができて、贅沢を味わうことができる。白い極冠や、黒い表面模様がくっきり見えて、きっと満足できるだろう。 なお、最接近日は8月27日であるが、この日だけしか火星が見れない、なんてことはない。8月中旬〜9月上旬の間は、最接近日(=8月27日)とほぼ同じ状態なので、お盆休み〜新学期始めの頃までの間は火星はずっと最接近状態だと考えてよい。というわけで、各自の都合のよい日に火星を見に出かけるようにするとよいだろう。 参考までに、火星を見るのに適した望遠鏡は、1.大口径、2.焦点距離が長く合成F値が大きい機種、3.反射式よりも屈折式。 ■ 火星はどの方向に見える? 地球に最も近づいている8月〜9月にかけての火星は、太陽のほぼ反対方向に位置している。つまり、日没と同時に東の空から昇り、真夜中(深夜0時)に真南で最も高度が高くなり(南中)、明け方近くになると西の空に下がっていく。要するに、太陽と同じように東から昇って西に沈むわけだ。このことから判るように、見る時間によって、火星の見える方向は東だったり南だったり西だったりする。 しかし、何度も述べているように、火星は強烈に明るい。だから、肉眼ですぐに見つかる。「火星の見える方角」を知らなくとも、ただ空を見上げて、空でダントツで明るく輝くオレンジ色の星が見つかれば、それが間違いなく火星である。なので、見つけるのは楽だ。 ■ 9月9日夜、月と火星が寄り添う! 中秋の名月の4日前、9月9日には月と火星が見かけ上近づくという、肉眼で楽しめる天体ショーが繰り広げられる。皆さんもご存知の通り、月は強烈に明るい。そんな、眩しいほどの月のすぐ下で、-2.7等級という強烈な明るさで輝く光の点(=火星)が寄り添って見え、なんとも神秘的な光景となる。9月9日の夜は、月に注目だ! もちろんこの現象も、望遠鏡で拡大して見れば月面クレーターのすぐ傍に赤く真ん丸い火星の姿が見えて、より美しい。しかし、これは望遠鏡で見なくとも、肉眼でそのまま見る「月と星の寄り添い」の光景も、また美しく眺められる。晴れてさえいれば、全国どこでも、誰にでも見えるので、ぜひともご覧頂きたい。この日の夜、「月の近くに赤いUFOがいる!」などと、変な噂さえ出てくるかもしれない。 詳しい案内は後日掲載予定だ。
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| − 火星とは − |
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火星は、太陽系9惑星の中の内側から4番目の惑星で、 その大きさ(直径)は地球の半分ほどである。 地球から最も近い外惑星であり、公転運動により地球との距離が大きく変わる。 大気の主成分が二酸化炭素で、気圧も低く、さらに極寒の世界のため、とても人間は住めない。 火星表面は、酸化鉄を含む赤茶けた大地が広がり、火星そのものを赤い星に染めている。 火星の両極地方は、固体二酸化炭素(ドライアイス)で覆われて白くなっている。 「極冠」と呼ばれ、地球からも(2003年の場合は南極冠が)白く見えている。 近年、火星探査機が次々と探査を行っている。 2004年1月には日本初の火星探査機「のぞみ」が火星に到着予定。 火星での生命(微生物を含む)の存在については、 未だ確実な証拠・痕跡は確認されていない。
判り易いように、地球のデータも載せた。 火星と地球の違いを見比べて欲しい。 |
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| − 火星をデジカメで撮ろう − | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
何枚でも撮れるデジカメのメリットを活かし、たくさん撮り、写りの良いものだけを残す。
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各望遠鏡メーカーから、デジカメを望遠鏡につなげるアダプターが販売されているので、それを使うと撮りやすい。しかし、手持ちのままデジカメで望遠鏡を覗かせて撮ることも可能だ。ただ、何百倍にも拡大された被写体なので、ほんのわずかでも望遠鏡に触れてしまうと、大きく被写体が揺れてしまい、ブレの原因になる(被写体ブレ)。また、しっかりカメラを構えておかないと、手ブレも起こりやすい。よって、アダプターで接続して撮るのが一番である。 アダプター接続の場合、カメラのシャッターボタンを押した時に、その振動が望遠鏡本体にも伝わり、被写体ブレが発生する。これを防ぐためには、レリーズを使用するといいだろう。また、レリーズを持っていなくても、デジカメのセルフタイマーを使って撮ることで、ブレが収まった頃にシャッターを切ることができる。 ブレずに写せた左下の火星画像では、火星の形や表面模様の濃淡が判る。よく見ると火星の姿が真ん丸ではなく、月のようにわずかに欠けているのがわかるだろう。また、火星の上の縁のほうに白っぽく見えるものは、「極冠」である(つまり火星の極地方)。二酸化炭素の氷に覆われて白くなっている。火星界の春の訪れと共に、この極冠は溶けて小さくなるらしいので、極冠を見るなら最接近日を待たず、今のうちに見たほうがいいだろう。 なお、作者が最近撮った火星のデジカメ画像を以下に紹介する。 |
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| − 火星の写真記録 − | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
共通撮影データ
− 2003年10月 火星画像 −
− 2003年9月 火星画像 −
− 2003年8月 火星画像 −
− 2003年6〜7月 火星画像 −
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| − 火星 各データ for Observating − | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
火星観測の参考にして頂きたい。 (※時刻・南中高度は熊本県でのデータ。)
※表中の赤は、最接近(視直径25秒角台)の頃 |
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「火星」関連ページ (いずれも私が書いたものです)![]() ・2005年 火星画像集 |
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