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2005年 火星画像集

2年おきに巡ってくる火星の年。
今回は2005年10月30日に最接近となりました。
地球のお隣、火星の姿をご覧下さい。



2005年秋、2年2ヵ月ぶりに火星が地球に大接近しました。
このコーナーでは、私が撮影した2005年の火星画像を紹介します。
なお、当初ブログにて公開していた記事をhtml化しましたことをご了承下さい。

▼火星の記録
(2005.10.01〜11.18)

1. 2005年11月18日撮影
2. 2005年11月8日撮影
3. 2005年11月7日撮影
4. 2005年11月4日撮影
5. 2005年11月3日撮影
6. 2005年10月13日撮影
7. 2005年10月1日撮影
共通撮影データ
撮影地: 熊本県熊本市
望遠鏡: ビクセンR200SS
カメラ: ソニー DCR-HC90
アイピース: ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)
撮影方法: コリメート法
画像処理: RegiStax3, Photoshop-E.(スタック合成,トリミング,ウェーブレット変換etc)

※赤道儀(モータードライブ)故障中につき、全ての画像において追尾無し撮影





2005年11月18日撮影
11月も半ばを過ぎ、地球に近づいている火星もだんだん遠ざかって参りました。視直径はすでに20秒角を割り、今ではもう18秒角台。それでも、次回2007年の火星最接近時よりも近いので、まだまだ火星最盛期は続きます。

11月18日 22時の火星
【-2.0等 視直径19″ 中央経度260°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月18日 22時54分
※RegiStax Ver.3にてビデオ映像 161 フレームをスタック合成&ウェーブレット変換、トーンカーブ調整
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて処理:縦横比補正、トリミング、レベル調整


火星画像 3

南中高度が高すぎて導入できない!

 今秋の火星はおひつじ座で衝を迎えたため地平高度が勢い余って天頂近くまで昇り詰めるため、南中時に望遠鏡で導入しようとするとベランダの屋根に隠されてしまいます。低すぎるとベランダの柵に隠され、高すぎるとベランダの屋根に隠される、集合住宅ならではの悩みです。屋外まで運ぼうにも、機材が重くて狭い階段での上り下りは一苦労です。

 そこで、架台の三脚をしぼめてできる限り架台がベランダの柵に近づけたら、R200SSのファインダーからは火星は見えないものの、鏡筒の斜鏡を覗いて火星の光を導入し、屋根による遮光率20%ぐらいで火星を導入できました。今回の画像は、そうして苦労して撮影した南中時の火星です。


北極を覆っている白いものの正体は?

 さて、火星の北極(火星の下部)に注目しますと、白いものがはっきりと写っています。この間読んだ天文誌の情報にインスパイヤされて解説するとどうやらこれは北極冠(ドライアイス)ではなく、極冠を覆っている「極雲」らしいです。しかし、他の日の火星画像を見てお判りのように、私の火星画像には全て極雲が写っているのです。通常、雲ですと気象現象ですので日によって変化があると思うのですが、もしかすると火星の北極の極雲は定常的に存在するものなのかもしれません(2003年の火星にはこんなにはっきりした雲は見られませんでしたが)。

 一方、画像の向かって上、南極の氷は完全になくなっています。そう、火星の南半球は今夏を迎えているためです。火星の世界でも今、北半球が冬なのですね。


火星の表面模様の解説

 さて、火星の表面模様に注目しますと、今回の火星面では一番濃い模様「大シルチス」が右端に見えていますね。火星は左方向に自転していますから、あと1〜2時間経てば大シルチスが正面まで回ってきます。一方、横長い「キンメリアの海」が火星中央に見えています。

 もちろん、海と言っても水が広がっているわけではありません。周りより黒い部分を「海」として名付けたに過ぎません。但し、火星上には本当にH2Oの水があり、何十億年か前までは本当の海が広がっていた可能性がある、という探査結果が出ていますので、興味深いです。なお、火星の北極には二酸化炭素の氷だけでなく水の氷もあるらしいので、注目が集まっています。
実はキンメリア人



2005年11月12日撮影
現在地球に接近している火星ですが、いよいよ火星面で最も濃い模様「大シルチス」が見頃になってきました。4〜5日前までは宵の火星高度の低い時にしか「大シルチス」が見えなかったので、シンチレーション(大気の揺らぎ)の影響を受けやすく、クオリティの高い火星画像は撮れませんでしたが、今夜は火星南中の頃に大シルチスの見える火星面を撮影できました。今後数日間は、火星南中と大シルチスの見頃が重なるので、絶好の「撮りどき」です。

11月12日 23時の火星
【-2.2等 視直径19″ 中央経度312°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月12日 22時59分〜23時06分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)

※RegiStax Ver.3にてビデオ映像722 フレームをスタック合成&ウェーブレット変換、トーンカーブ調整
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:適当な縦横比補正、トリミング、レベル調整、ガウスぼかし等

南中高度70°でくっきり火星面

 今年の火星はおひつじ座にいるおかげで、南中高度は70°。一昨年の火星接近時には、日本では南中高度の低さに泣かされました。でも、今年は地球の北半球で火星が高くなる年です。せっかく南中高度が高いのに反射鏡R200SSの光軸のズレを修正することなく火星を撮り続けています。

 さて、今夜撮影した火星は南中目前の高い地平高度での撮影なので、シンチレーションが小さく、動画の1コマ1コマがシャープな火星像を結んでくれました。毎回言っていますが、今回も追尾なし(ノーガイド)撮影ですので、火星が日周運動で写野を横切るDV映像を15セット撮影し、動画編集ソフト「Adobe Premiere」のモーション設定にて日周運動による動きをキャンセルしておきました。こうすることで、アライメント時の「火星の取り逃し」を防止することができるからです。追尾撮影できる環境ならばこんな煩わしい処理を踏まずに済むのですが…。

火星画像 2

火星の色や濃淡は作者の個性

 通常、火星の模様はかなり淡いので、画像処理しないままだと味気なく感じます。そこで、たいてい過度な画像処理によって火星面の表面模様を強調します。

 今回は、火星の画像処理を控えめバージョン、適度バージョン、強めバージョンの3種類用意しました(左画像)。それぞれ、トーンカーブによるコントラスト調整や、ウェーブレット変換の強さなどを変えて処理したものです。火星の色は、レベルをRGBごとに調整することによって、赤っぽくなったり青っぽくなったりします。つまり、火星の色は画像処理次第で変わり、撮影者個人の好みにより完成する火星画像には個性(表情)が出てきます。私も2003年に天文誌等情報媒体において解説された火星撮影&画像処理術にインスパイヤされて習得され、自分だけの「マイ火星画像」を作り始めた一人です。これからも自分の個性を生かしながら惑星撮影に勤しみたいものです。
大シュルティスと読んだあなたは天我教徒。



2005年11月8日撮影
4日遅れで画像処理をした11月8日の火星です。今回は華の中央経度300度付近を撮るために、まだ火星高度が20度ほどしかない19時台に撮影を行いました。そう、目的はもちろん大シルチスです。

11月8日 19時の火星
【-2.3等 視直径20″ 中央経度295°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月8日 19時26分〜31分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)

※RegiStax Ver.3にてビデオ映像more then約1200フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:適当な縦横比補正、トリミング、レベル調整、ガウスぼかし等



火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月8日 19時32分

※RegiStax Ver.3にてビデオ映像約300フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
※その他のデータは1枚目と同じ

Registax Version3

火星が(いつもより)赤みが強いのは地平高度が低いためだと思われます。夕日や朝日が赤っぽく見えるのと同じですね。

 さて、今回の火星画像はノーガイド撮影で火星が写野の端から端へ動いていく映像を5セット用意しました。それで、スタック可能となる素材フレーム総数は約2,300フレームありました。これまで使ってきたRegistax Version2では、火星をアライメントする際、火星が写野の端から端へ切り替わるときにアラインの的が火星を取り逃してしまっていました。要するに、画面が切り替わるとアラインに失敗するのです。本日はRegistaxのサイト(http://registax.astronomy.net/)から最新版にインスパイヤされたRegistax Version3をインストールし、早速使ってみました。

 すると、画面が切り替わった際に火星を取り逃すと「火星どこ? もう一度アラインポイントを指定しる!」的なメッセージが表示され、火星の現フレームの位置を指定してやるとアラインを中断することなく続行できました。しかし、フレームの通し番号 2,064 を超えると「処理に失敗しました。」的なメッセージが表示され、以後アプリケーションがフリーズして処理を受け付けなくなってしまいました。そんなわけで、10分近くかかるアライン処理を何度繰り返しても毎回2064番目のアラインに達するとフリーズしてしまうので、時間がかかりイライラしていました。

 結局、DVの2,300フレームのうち数百フレームだけでアライン・スタックしたわけです。すると、DVのズーム率が小さかった影響で、解像度が低くご覧の通り小さな火星になってしまいました。また、S/N比はほぼ極限を極めているので、Registaxの癖でもある格子状のノイズが現れました。結局、S/Nが良いにもかかわらず格子状ノイズを除去するために後処理でガウスぼかしをかけざるを得ませんでした。


シーイングが悪ければ拡大しても効果なし 

 2枚目の画像は、DVのズームを上げたバージョンですが、やはり火星高度が低いために光量不足、並びにシーイング不良だったのでしょう、ご覧の通り拡大した効果が無く、解像度も低いです。大シルチスの存在だけははっきり判りますが…。

Registax Version3で困ったことは、スタックしたフレームの数が表示されないことです。スタック処理中の画面には「n=」で表示されていますが、処理が終わった画面には何フレームスタックしたのか判らず、この画像も正確なスタック数が不明です。そんなわけで、Version3に乗り換えたら操作ボタンも替えられていて以前より使いにくくなってしまいました。
フリーソフト火星くるくる「Ver1」最高。



2005年11月7日撮影
10月30日に最接近となり、現在最盛期の火星。視直径はまだ20秒角を維持しています。次回2007年の火星接近時にはここまで大きくならないので、20秒角台の火星が見えている現在は貴重な時期です。これからは加速的に遠ざかっていくので、視直径の大きな火星は11月上旬のうちに見ておきましょう。12月に入る頃には視直径が17秒を割ってしまいます。観望・撮影はお早めに。

11月7日 02時43分の火星
【-2.3等 視直径20″ 中央経度 58°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月7日 02時43-45分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)

※RegiStax2.0.にてビデオ映像各171,150,190フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:上記処理画像3枚コンポジット合成、写野回転&トリミング、レベル調整、ガウスぼかし、アンシャープマスク等


中央経度59度

 11月7日の未明、午前2時43分〜45分に撮影した火星です。

 今回は火星が南中を過ぎてまだ充分に高い地平高度を維持している頃の撮影で、等圧線の間隔も広く大気も安定していたため、シーイングは良好でした。ただし、いつものようにノーガイドのため、スタック用の動画撮影は継続して行えません。さらに、赤経方向のクランプが無いため、火星の導入作業には大変苦労します。そのため、撮影は断続的に3回行い(02:43, 02:44, 02:45)、完成した3枚それぞれを加算平均コンポジットする、という多少ややこしい手順となりました。機材環境が万全ならばここまで苦労せずに済むのですが…。

火星画像 1


火星画像 3

火星画像のコンポジット過程

 左の画像は、今回の火星画像の生成過程です。上の3つの火星画像がRegistaxにて一旦処理済みの画像です。それらをさらにコンポジット合成して、S/N比をさらに向上させました。一番右の火星はズーム率が異なりますので、拡大して左2つとサイズを合わせました。完成画像の総フレーム数を計算すると、511フレームになります。どうでしょう、上の画像よりさらにS/Nが向上し、表面模様がはっきり現れてきたのが判りますね。合成直後の画像ではまだ粒状感が大きかったので、最後にガウスぼかしを軽くかけて模様を滑らかに描出しました。

 火星の一番下に注目すると、白いものが見えますね。これは極冠にインスパイヤされた偽の氷のようにも見えますが、その正体は実は氷ではなく雲か霧、または靄です。火星の北極には雲などがかかりやすいのです。2003年の火星でもたびたび見ることができました。今日の火星では一際白く目立っています。


太陽湖 

 さて、今回の火星面では「太陽湖」が目立っています。太陽湖は火星面で目玉のような形をした模様です。

 写真3は2003年の火星接近時に撮った太陽湖の写っている火星です。この時の火星には南極冠の氷が写っていますが、今年の火星の南極には、もう氷が見えません。これは、火星の南半球に夏が到来して溶けたためです。今年もちょっと前まで見えていましたが、もうほとんどなくなってしまい、本日撮影の火星画像では全く確認することができません。
フォボス&ダイモスを眼視で見た香具師はネ申



2005年11月4日撮影
さて、今夜も晴れているので昨夜に引き続き火星を撮影しました。今はちょうど子午線湾が見頃。そんなわけで、今回の画像でも中央付近に子午線湾がくっきりと写っています。南極冠は点のように小さいですが、微かに確認できます。この付近の火星面では、面白いことに南を上にすると火星全体が人の顔に見えてきますね。

11月4日 22時の火星
【-2.3等 視直径20″ 中央経度 10°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月4日 22時10-13分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)

※RegiStax2.0.にてビデオ映像601フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:写野回転&トリミング、レベル調整、ガウスぼかし、アンシャープマスク等

火星画像 1


スタック枚数を増やして滑らかに描出

 今回はDVのズーム倍率を低くしたのでいまいち迫力がありませんが、600フレームをスタックしたのでS/Nは良好です。それでもウェーブレット変換時にノイズが発生するのでPhotoshopでの仕上げ段階で軽くガウスぼかしをかけています。なお、ノーガイド撮影なので日周運動で火星が動いていく映像をアライメントしてスタックしましたので、望遠鏡での火星再導入や動画の使用フレーム選択など厄介です。

24時間半で自転する火星

 地球の隣を公転する惑星、火星。まるで地球にインスパイヤされたかのように、火星の自転周期はほぼ24時間なのです。正確には24時間37分で一回転しますので、地球の自転(24時間00分)の周期に合わせて生活している私たちにとっては、毎晩同じ時刻に見る火星面は37分ずつ遅れてきます。つまり、日を追うごとに見える火星面が移り変わっていくのです。そんなわけで、今夜(11/04)撮影した火星は、昨夜(11/03)撮影した火星と比べて中央経度が17°違います。


中央経度10°の表面模様 

 表面模様に注目してみましょう。火星の向きが少しだけ変わったのが判ると思います。この向きの差17°は、17°回ったのではなく、1回転弱の343°回ったことにより生じた17°の差です。今は子午線湾のあたりが見頃ですが、しばらくすれば火星面で一番濃い模様「大シルチス」が宵の時間に見えるようになってくるので、楽しみです。ところで、週末は天気が崩れそうです。
反射鏡一筋



2005年11月3日撮影
さて、2005年10月30日に火星が最接近となりました。この画像は今夜(11月3日)に撮影した火星です。11月上旬の間はずっと「最接近」状態なので、これが今回見られる最も大きい火星の姿です。今回の最大の大きさは前回2003年の火星最接近時より一回りほど小さいのですが、今回の画像は2003年に撮った火星と大差ない高解像な画像を得ることができました。

11月3日夜の火星
【-2.3等 視直径20″ 中央経度27°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年11月3日 22時47-48分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)

※RegiStax2.0.にてビデオ映像111フレーム+93フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:写野回転&トリミング、レベル調整、ガウスぼかし、アンシャープマスク

中央経度27度の表面模様

 火星面に見える表面模様に注目してみましょう。火星中央左部には子午線湾がよく見えています。火星の下の方(北極方向)には、「アキダリアの海」も写っています。火星の一番下が白っぽいのは、南極冠がわずかに残っているからでしょう。また、反対の一番上にも1ヵ所白いものが見えます。そう、これは北極です。北極冠のほうも以前より溶けてきました。

 火星の丸い輪郭もくっきりですね。DV動画撮影で得た多くのフレームをスタックした効果です。



OASIS 変換リングM57→M30
火星画像 2
オリジナルのサイズの画像を見る場合はクリックしてください。


さっそく望遠鏡と接続してみる
火星画像 3
オリジナルのサイズの画像を見る場合はクリックしてください。

「秘密兵器」入手 

 忙しくてこれまで火星撮影ができなかったのですが、今夜3週間ぶりに火星を撮影することができました。前回ご紹介した10月13日撮影の火星は、手持ちコリメート撮影による撮影だったため、スタック後の画像は本来得られるべき解像度より低く不鮮明な画像となっていました。手持ちですので、ブレや写野のローテーションのズレが起こったものと思われます。しかし、火星最接近日の10月30日に、ついに秘密兵器を入手。それが左の写真です。

 トミーテックなのかボーグなのかオアシスなのか…、メーカー名なのか製品名なのかゴッチャになりやすいミニスコープメーカーのデジカメアダプター用変換リングです。取り寄せにはアストロアーシ様のオンライン通販を利用させて頂きました。

 DVカメラ「DVC-HC90」をデジカメアダプター「SD-1x」につなぐためのリングですが、2千円でした。

 ともかく、それを使ってDVカメラ「DVC-HC90」を望遠鏡に接続するとこうなります(2枚目)。これで、今までの歯痒い「手持ちコリメート」から解放され、ついに本格的にDV惑星コリメート撮影ができるようになったわけです。

 しかし、一番肝心な追尾ができません。そう、赤道儀のモータードライブが壊れているのです。ですので、今回の火星画像も追尾なしの火星が日周運動で流れていく映像をスタックしたため、ご覧のようにスタック枚数に限度があったのです。もし追尾できるのであれば、もうスタック枚数上限フリーとなり、きっと素晴らしい火星面が描出できたことでしょう。それでも、今まで撮った火星画像の中で最も鮮明に火星表面模様が浮かび上がってくれました。


火星画像 4

画像処理 

 Registaxにてスタック&ウェーブレット変換処理が終わり完成した火星画像をPhotoshopに持ってきて最終仕上げのガウスぼかし、レベル補正を行います。

 その時に淡い火星の表面模様をふんだんに強調することが多いのですが、今回はレベル補正を控えめにした場合と極端に行った場合の画像を比較してみました。

 どうでしょう。皆さんはどの火星が自然に見えますか? または単純にどれが好きですか?

火星を火星らしく見せるためには、やはり特徴を強調するべき、そう考えるならば、やはりB〜Cの処理が相応しいでしょう。
しかし、実物を忠実に表現するためにはレベル補正を殆ど行っていないAが相応しいでしょう。火星面の色合いやコントラストは、撮影者の表現によって変わってきますので、どれが正しいとも言えません。

 続いて、スタック枚数による火星面の解像度の違いを見てみましょう。

 これを見ると、スタック枚数が2桁と3桁では歴然とした差が出ていますね。通常、惑星面の映像から1000枚以上スタックするのですが、先述の通り私はノーガイドゆえにスタック数に限りがあるので、200フレームしかスタックできませんでした。

 一番右端のものは、111フレームをスタック&ウェーブレット変換して完成した画像と93フレームで完成した画像とを足して2で割った画像。つまり204フレーム合成と同じ効果になります。真ん中の196フレームのものはDVのズーム率が低かったためにやや不鮮明となりました。

 このように、火星画像処理の世界は奥が深いのです。役に立つ技術をインスパイヤして習得してきた火星撮影・画像処理術。今月いっぱい、火星撮影に勤しみたいものです。
ねらえ大シルチス



2005年10月13日撮影
さて、いよいよ火星最接近まで残り半月となり、望遠鏡で見る火星も間もなく20秒角です。今夜はHC90によるDV撮影で火星を狙いました。LV2.5mmアイピースを覗かせてDVカメラで数十秒間撮影した火星画像のスタック&ウェーブレット変換です。

10月13日夜の火星
【-2.0等 視直径19″ 中央経度267°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年10月13日 01時50分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV2.5mm

※RegiStax2.0.にてビデオ映像320フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:写野回転&トリミング、レベル調整、ガウスぼかし

大シルチス

火星面で一番濃い模様、大シルチスがドーンと見えていますね。アフリカ大陸のような形をしています。今回は、DV側の設定を変えることで大幅に火星像が改善しました。それは明るさ(露出)をマイナス補正することです。デフォルトのままだと露出オーバーなので、火星面が白くなり、黒い表面模様も写りにくかったのです。
忙しいのでこの辺で



2005年10月1日撮影
いよいよ火星最接近まで残り1ヵ月を切り、望遠鏡で見る火星も日に日に大きくなってきました。今まで忙しくて夜に暇が取れなかったことから、今回ご紹介する画像が、今年初めての火星撮影となりました。

10月1日夜の火星
【-1.7等 視直径18″ 中央経度 16°】
火星画像 1
撮影日時 : 2005年10月1日 00時45-46分
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)

※RegiStax2.0.にてビデオ映像複数フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
※Photoshop-E.にて画像処理:写野回転&トリミング、レベル調整、ガウスぼかし、アンシャープマスク

AVIファイルからのスタック

 今回の火星画像は、10月1日 00時45-46分に撮影した1分弱のDV動画によるものです。RegiStaxでは数千フレームにも及ぶフレームの中から良質なフレームだけを自動で選別するカットアウトフィルターが装備されていますので、Difference(差異)フィルターとQuality(画質)フィルターそれぞれの条件を変えてスタックするのです。

手持ちコリメートという悪条件 

 私は赤道儀の故障によりガイドなしで撮影を続けています。ですので、今回の火星画像も日周運動でアイピース視野内を火星が移動するにつれて周辺視野で像が湾曲している可能性があります。つまり、解像度が低下しているかもしれません。さらに、DVカメラDCR-HC90のカメラアダプターを持っていないため、手持ちコリメートで撮影しました。つまり、日周運動で火星が動くのに加えて情けない手ブレも影響して、像が多少ブレていると思われます。

 そのように撮影悪条件が重なっているためか、今回の画像もあまり表面模様がはっきりしませんね。2003年の火星画像のほうが同じ経度0度でもはっきりと子午線湾が写っているのは、当時はガイド撮影していたし使用カメラ「COOLPIX995」をアダプター接続したことにより手ブレの影響がないなどの優勢点が挙げられます。今回の画像では子午線湾の存在もほとんど判りません。




火星中央経度0度付近 

 今回の火星面は火星くるくるで調べたところ359.8度付近でした。つまり、ほとんど0度。子午線湾が見えているはずですが、この画像では判りません。ですが、黒い表面模様の存在は判ります。驚いたのは、北極冠が写ったことです。2003年の火星は最接近1ヵ月前まで立派な白い南極冠を撮影できたのですが、今年の火星では北極が見えているのが感慨深いです(画像の火星右上付近に白く見えているのが北極冠=氷です)。この2年の間に、火星は北極方向を地球に向けるようになったのですね。ですが、この北極冠も火星北半球の夏の到来と共にいずれ溶けてしまうものと思われます(注:これから夏になるのは南半球だったかもしれません)。

 そんなわけで、今シーズン初の火星では中央経度0度付近との対面となりましたが、今年購入したDVカメラで大シルチスをはっきり撮るのを楽しみにしています。


TO U Cam Proは入手しやすくなりましたか?




更新履歴
05/12/05, 05/12/11, 05/12/12


「火星」 関連ページ (過去に私が書いたものです)
前回の火星大接近(2003年8月〜9月)

2003年 火星大接近
解説と火星画像集
2001年 火星大接近(スケッチ記録)
前々回の火星大接近(2001年6月) … スケッチ記録