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天体観測報告 digest

2005年3月31日 アンタレス食(出現) 撮影 最新報告
アンタレス食 出現
暗縁からの出現直後
ビクセン R200SS / ニコン D70
直焦撮影、1/50秒露光
アンタレス食 出現
出現直後(拡大)
ビクセン R200SS / ニコン COOLPIX995 / LV10mm
コリメート撮影、1/4秒露光

 2005年3月31日未明、14年ぶりとなるアンタレス食が見られた。当地では快晴の天候に恵まれたが、アンタレスの潜入は月の高度が低かったために建物の影となり、撮影することができなかった。

 潜入から約1時間後、アンタレスは月の暗縁から出現した。その頃には月の高度も20°近くまで上がっており、望遠鏡で導入することができた。左の画像は、アンタレスの出現直後に撮影した画像である。1枚目の画像は、一眼レフデジカメ「ニコンD70」の直焦で撮影した。望遠鏡はF4の鏡筒、R200SSである。そのため、写野内における月の大きさは小さかったが、600万画素という高解像度なのでトリミングしても充分な解像が得られた。但し、今回の場合は惑星食ではなく掩蔽(恒星食)なので、240×180pixに縮小した画像ではアンタレスの輝きは1ピクセル以下になり、矢印で印さなければ存在が判らないほどになってしまった。アンタレス食を撮影された方は、この画像を見て九州方面で撮影されたものだと判るだろう。そう、月に対するアンタレスの進路は、日本列島北と南でかなり異なってくるのだ。なお、沖縄の那覇市では月の向かって上端に接する「接食」となり、それ以南の地では食されなかった。

 2枚目の画像はアンタレス出現直後の様子をコンパクトデジカメ・COOLPIX995のコリメート撮影で拡大したものである。アンタレスはクレーターの見える月縁からかなり離れているように見えるが、実際には月の夜の部分とスレスレに接している状態だ。アンタレスと月の明るい縁との間には月の夜の部分が続いていて、アンタレスの「出現」はこの見えない夜の部分から現れた。作者はデジカメの液晶ディスプレイを凝視していたので、眼視で出現の瞬間を見守ることはできなかったが、アンタレスは赤色巨星の為、視直径がかなり大きく、出現の瞬間は一瞬ではなく「フワッ」と現れるように見えたはずである。また、5等級の伴星が先駆けて出現する様子も興味深かったのだが、デジカメ撮影を重視するあまり眼視観測できなかった点は残念であった。
2003年9月9日 月・火星の接近
月と火星
月と火星
ビクセン R200SS / ソニーCybershot U
手持ちコリメート、オート露光

 2003年9月9日夜、満月と火星が見かけ上接近した。しかし、当地ではあいにく悪天候で、まともな撮影はできなかった。雷雲が発生していて、非常に不安定な天気であり、月が雲間から出そうで出ないという歯痒い状態が続いた。このため、デジカメでの本格的なコリメート撮影はできずに終わった。
 ところが、半ば諦めていた月と火星が最も近づいた20時28分、運良く月は雲の切れ間に差し掛かった。そして本当に一瞬の間だけ、月が雲の薄い部分に差し掛かり、望遠鏡の視野内に月と火星が同時に見えてきた。私はその思いがけない一瞬の撮影チャンス到来に、慌ててポケットの中の超小型デジカメを取り出し、すぐさまカメラをアイピースに押し付けてラフにパシャッとシャッターを切った。月の白く大きな輪郭と火星の赤く真ん丸な形が同時に見え、美しく神秘的な光景であった。
 左写真は、その時に撮った画像である。超小型デジカメでの手持ちコリメート撮影、露出はオート(1/30秒)、さらに雲ごしなので、画質が悪く、残念だ。なお、詳細は以下に掲載している。
  • 詳細な情報:
2003年6月26日 火星が接近中
デジカメによる火星
火星 (2003年6月26日)
ビクセン R200SS / ニコンcoolpix995
4-5枚コンポジット合成

 2003年は、火星が話題を呼んでいる。そう、15年に1度の「火星大接近」の年だからだ。いよいよ2003年8月下旬、火星は地球に超・大接近する。視直径が25秒角にも達する8月27日の最接近が今のうちから楽しみだ。

 さて、2003年6月26日未明、貴重な梅雨の晴れ間を狙って、大接近2ヵ月前の火星を撮ることに成功したので写真をご紹介しよう。左画像が、口径20cm反射望遠鏡の接眼レンズにデジタルカメラを押し付けて撮った火星だ。なお、階調を滑らかにするため、4〜5枚コンポジット合成してある。

 火星の上部に見える白っぽいものは、「極冠」と呼ばれる火星の南極である。地球の南極と違って、火星の南極の氷は二酸化炭素なのだ。また、その極冠の少し下には黒っぽい表面模様が写っているのも判る。さらに、火星の形は真ん丸ではなく、まるで月のように左側が少し欠けているのも判るだろう。火星も軌道上の位置によっては、わずかだが満ち欠けするのだ。
  • 詳細な情報:
2002年12月14日 ふたご座流星群を撮影
ふたご座流星群2002 群流星
ふたご座流星群の流星
ニコンcoolpix995
 2002年12月13日深夜から14日未明にかけて、ふたご座流星群が極大となった。2002年のふたご座流星群も、例年どおりたくさんの流星を見る事ができた。

 1時間あたり数千個という流星大出現を2年続けて見た私にとって、もはや三大流星群なんて見る気も起きないはずだった。しかし、アメリカでの流星撮影が大失敗に終わった私にとって、今年のふたご座流星群では、「アメリカ大失敗」のリベンジを果たしたかった。

 無我夢中でデジカメの60秒露光を繰り返し、「ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる」作戦で、ひたすら写野画角内に流星が流れるよう祈りながら撮影を繰り返した。すると、露光を繰り返すうちに、写野内に明るくゆっくりとしたふたご群流星がついに現れた! アメリカ流星雨でも成し得なかった、しっかりとした流星の輝線を写し込む事に成功したのである。それが左画像だ。画像右下部が、放射点にあたる(ふたご座のカストルとポルックスが写っている)。
2002年11月19日 アメリカで流星雨を観測!
しし座流星雨2002 in AMERICA
流星とカノープス
ニコンcoolpix995
 2002年11月19日、アフリカ&ヨーロッパ方面とアメリカ方面で、それぞれしし座流星群が大出現した。今年のしし座流星群は2つの出現ピークがあり、1つ目のピークがアフリカ方面のみで見られ、2つ目のピークがアメリカ方面のみで見られたというわけだ。なお、日本では大出現にはならなかった。

 アメリカ・アリゾナ州でしし座流星群を観測した私は、世界時間10時30分頃からの30分間、流星が雨のように降り注ぐ流星大出現を見ることができた。しかし、去年のしし座流星群と比べると見えた流星の数は半分ほどでしかなかった。また、満月の月明かりがある上に暗い流星ばかりだったので、実際に見られた流星の数はかなり少なく、あまり見栄えがしなかった。火球は一つも見なかった。去年の日本でのしし座流星雨のほうがうんと迫力があったことを念押ししておこう。
 なお、突然のカメラトラブルにより、ほとんど流星撮影ができなかった私だが、デジカメを代用して辛うじて微かな流星の姿は撮ることができた。SKY FANTASY内において、遠征観測の報告と共に掲載しているで、下記報告ページをご覧頂きたい。
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しし座流星雨2002 アメリカ遠征観測報告・写真紹介
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2002年6月11日 部分日食を撮影
部分日食
欠けた太陽
ニコンcoolpix995
 2002年6月11日、平日の朝に全国で部分日食が見られた。しかし、あいにく当日は台風の接近や梅雨前線の影響で、全国的に悪天候。すっきりと晴れた地域はなかったようである。
 そんな中、熊本県熊本市の自宅にて、わずかな雲の切れ目を狙ってなんとか部分日食の撮影に成功することができた。台風通過直後で、時折小雨まで降る完全な曇天であったが、諦めきれずに粘った甲斐があった。雲の切れ間から太陽が一瞬姿を現したのは午前7時58分と午前8時6分の2回きりであった。その2度の撮影チャンスに、見事「欠けた太陽」をデジカメで撮る事に成功した!
 なお、以下の速報・仮設ページに日食の写真を掲載している。貴重な雲の切れ目からの日食の画像をぜひご覧頂きたい。
2002年3月20日 土星・月の接近
土星食
月と土星
ニコンcoolpix995
東日本(北日本)のみで見られた、2002年3月20日の土星食。私はデジカメコリメート撮影で、月と土星の接近の様子を撮影する事が出来た。シーイングも非常に良好で、月のそばの土星像はいつにもましてシャープだった。ただただ、環の大きく開いた土星に見蕩れた。クレーターと土星を同一視野に見ると、本当に豪華な眺めであった。非常に美しい、という印象が残った。

以下の仮設ページに、作者撮影による月・土星の写真を紹介している。ぜひご覧頂きたい。
2002年3月18日 池谷・張彗星 検出
池谷・張彗星
西空低空で捉えた
C/2002 C1池谷・張彗星

ニコンcoolpix995 4秒・8秒露光の2枚コンポジット
 さて、2002年最初の肉眼彗星が日没後の宵空を賑わせている。C/2002 C1 池谷・張彗星だ。光度は、4等台を割り込み、3等級に達しているかもしれない。久々の大物だ。2002年3月18日に近日点通過となった同彗星。そんな最盛期の同彗星の姿を捉える事に成功したので報告しておこう。
 とはいえ、当地は黄砂や光害が酷く、デジカメで写そうにも15秒も露光をかければ完全に真っ白に被ってしまうほどの最悪条件である。よって、4秒露光で辛うじて写し込めた左画像を紹介しよう。極限等級はまさに3等級であり、おひつじ座のβ・γ星を頼りに彗星像をなんとか確認できた次第だ。左の彗星拡大図では、なんとなく尾が伸びている様子が判る程度でしかない。しかし、実際にはかなり美しく尾が成長しているようである。
 後日、透明度の高い山へ遠征して改めて池谷・張彗星の撮像に挑戦するつもりである。撮像に成功したらいち早くまたご報告しよう。
2002年1月25日 土星食を観測
土星食
土星出現直後
デジカメコリメート撮影
 2002年1月25日未明、西日本で土星食が見られた。熊本で観測に成功した私の写真を紹介しよう。
 デジカメ・コリメート法による土星の出現直後の様子だ。残念ながら、食最中の撮影は失敗した。
 今回の熊本での土星食は、AM01:49に土星のA環が月の暗縁に接触し、欠け始めた。前回観測した1997年10月17日の土星食は満月による食だったため、今回の土星食で初めて「暗縁での食」を観測できた事になる。本体が半分ほど隠された頃には、土星の本体と環に月の暗縁のシルエットが斜めに映り、月の見えない輪郭が浮かび上がって神秘的であった。土星の「欠けぎわ」はシャープである。
 そしてAM02:31に明部に出現した。出現観測は専らデジカメ撮影に専念したため、出現の様子はじっくり観察できなかった。カメラの設定がうまくいかず、とうとう出現中の様子は撮れず、左のようにちゃんと撮影できたのは出現後数分経ってからであった。次回3月20日の土星食は当地では見られないが、月・土星の接近の様子だけでも撮影できればと思っている。
詳細な観測報告:
2001年11月19日 流星雨を観測!
しし座流星雨 2001
降り注ぐ流星雨
50mm標準レンズでf1.4開放、30秒露光
2001年11月19日未明、しし座流星群の活動による流星雨が見られた。
流星の数は、最大で1時間あたり数千個は確実で、言い換えれば1秒間に1個(以上)の流星が流れていた。アッシャー氏の予報通りの流星雨となった。


 放射点高度のまだ低い午前0時頃には、すでにたくさんの流星が飛び始めていて驚かされた。私は、午前0時半頃から計数観測を開始し、流星が現れるたびに「何時何分何秒、何座、何等級!」と、リアルタイムにテープレコーダーに記録していった。しかし、午前2時を過ぎると絶え間なく流星が降り注ぐようになり、やがてあまりに数が多く、計数できなくなってしまった。このため、流星雨は午前2時に始まったと言えよう。しかし、我々の流星雨の短時間収束予想は外れ、なんと夜が明けるまで永遠4時間にもわたって流星雨が続いていたのだ! しかも、空が明るくなってもなお、帰りの車窓から落ちるような地平近くの流星(火球)を幾つも目撃できた。最高の流星雨が見られ、最高だったが、写野中に火球の群れを写せたつもりだったフィルムが巻けておらず、撮影には大変悔いが残った。また、火球の撮影も、1枚しか撮れていなかったことも残念である。何せ、火球も頻繁にあちこちに現れ続けていたのだから。流星雨の写真と計数観測結果を以下に載せている。ご参照頂きたい。
しし座流星雨2001 観測速報・写真紹介
2001年8月 木星食を観測
木星食
木星食 (暗縁からの出現)
デジカメによる、手持ち・オートモード・コリメート撮像。
実に57年ぶりに見られた、惑星食の中でも王道級の「木星食」。それも月齢26という細い月による食なので、条件はこの上なく最高だった。

 私は車で20分ほどの所にある視界の開けた公園へ望遠鏡を積んで出向き、木星食観測を行った。しかし、出発時刻が遅かったため、車で到着したのはAM03:10。それはちょうど木星食の潜入時刻! 私は慌ててその場で望遠鏡を組み立て、まさにぎりぎりセーフで木星食潜入を観測した。だが、AM03:50の出現は、イオの出現から本体第三接触、第四接触、エウロパの出現、間をおいて現れたカリスト・ガニメデの出現を全て観測する事ができ、デジカメの簡単な撮像にも成功。左画像は、ちょうどカリスト・ガニメデがほぼ同時に出現した直後の写真画像である。
 なお、詳細な報告を以下に掲載しているので、こちらも参照して頂きたい。

詳細な観測報告:
2001年7月 リニア彗星を撮影!

C/2001 A2リニア彗星 (2001年7月2日)
50mmレンズによる銀塩写真のトリミング・画像処理。
現在、明るく見えて話題になっている 「C/2001 A2」 リニア彗星。地球に接近した6〜7月、3〜4等級という明るさで見えました。そんなリニア彗星を写真に捉える事に成功しましたのでご紹介いたします。 (2001. 7. 2報告)

核分裂を繰り返し、急速に明るくなった、今回のリニア彗星。だから、標準レンズで軽く15秒露出をかけただけで、左写真のようにコマの広がった、青緑色の彗星を写し込めた! 彗星部分のトリミング画像ですが、中央集光の強い特徴、そして核・コマが青緑色をしていることが確認できた。
 本日の望遠鏡での観測は、彗星を捉えることができなかったので、近日中に改めて彗星の導入に挑戦してみようと思う。彗星はこれからどんどん遠ざかるので、観測には一刻を争う。
2001年6月 火星接近中!   

火星 (2001年6月25日)
デジカメによる手持コリメート撮影。
6月22日に最接近し、夜空を賑わせた火星。
今回は二番目の大接近で、最接近時には視直径が20″を越え、光度も−2.4等級に達しました!


火星は現在、短い夜の間、一晩中見えています。驚くほどの明るく赤い輝きを放っており、大変目を引いています。
視直径も大変大きく、その大きさから木星と見間違うばかりです。

しかし、木星と違って、火星は20″角に達してもなかなか表面模様が見づらいのが実状です。私が観測する際にも、よくよく目を凝らして火星を見つめ続け、シンチレーションが一瞬止まり、解像度が高まった瞬間にだけ、なんとなく黒っぽい模様が漠然と確認できるだけです。大シルチスなら形状を捉える事ができますが、その他の模様は淡すぎて全然判らないのです。

なお、5月までの火星スケッチ観測の報告は、SKY FANTASYの以下ページに掲載しているので参照して頂きたい。6月分のスケッチ観測報告を、2001年6月30日にUPしました。
詳細な観測報告:
2001年1月10日未明 皆既月食

今回の皆既月食は、残念ながら全国的に天気が悪く、月食が観測できたのは九州の一部のみでした。幸いだったのか、私の住む熊本では雲の合間から奇跡的に部分月食を捉えることができました!

薄雲を通してですが、デジカメで部分的に欠けた状態の皆既前の月を撮影できましたので掲載します。


皆既前の月。薄雲を通してデジカメにて撮影。

皆既後、復円中の月。
皆既が終わって急速に晴れてきた。
なお、皆既中は本曇り状態で、月を見ることは出来ず。
皆既後、復円中の月を地上風景と共に捉えた。
月の下1/4ほどが欠けている状態。

欠けたままの月が、西の空に沈もうとしている中での
夜明けは幻想的であった。
詳細な観測報告:
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