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PRECIOUS ORION - プレ天文 - 特集



注:この写真は1997年のHB彗星です。
2004年5月、同時に
C/2001 Q4(ニート)彗星,C/2002 T7(リニア)彗星が
太陽&地球に接近!
2004/01/02 Opened.  2004/04/29 Second Update. 05/18 The Third Updated.




最新のニート彗星

2004年5月18日撮影のニート彗星です。
デジカメのズームのみで拡大したノーガイド固定撮影です。
露出は37秒。日周運動の影響で棒状に伸びて写ってしまっています。
星雲状であることとコマ特有の緑色である事ぐらいしか判りません。
5月になり、ようやくニートが南半球から上がってきて、
あっという間に日没後西空の高度も高くなりました。
とはいえ、もう近日点通過を過ぎ、これからは暗くなってゆく一方です。
しかも、「肉眼彗星になる」と騒がれていた頃の予想光度よりはずっと暗く、
肉眼ではもちろん、双眼鏡を使っても彗星の姿は見えませんでした。
ニートとリニアが同時に見えるようになるのは6月に入ってからですが、
もうその頃は肉眼では両方とも見えないでしょう。

最新のリニア彗星

2004年4月29日のリニア彗星です。
現在、リニア彗星は明け方の東天で見えていますが、
地平高度が低いために写りが良くありません。
また、彗星の光度自体も予想よりかなり暗いようです。
5月8日までは日本から見えないニート彗星のほうも暗いままのようなので、
このままだと2大彗星は肉眼では見え辛いまま終わってしまいそうです。

画像はデジカメで撮影(25秒露光、彗星部強トリミング)。
画面中央にごく微かに確認できる天体が、C/2002 T7リニア彗星です。劣悪画像スマソ。


● ニート&リニアは、彗星界の「鈴木さん」、「佐藤さん」

 「ニート彗星」も「リニア彗星」も、同じ名前の彗星が他に何十個・何百個もあります。これは、「ニート」と「リニア」という2つの小天体捜索機関が次々と彗星を発見してしまうからです。従来、彗星が発見されると、第一発見者の名前(姓名)が付けられ、「百武彗星」などのように呼ばれるのですが、ここ数年はニートとリニアという研究機関による自動捜索によって新彗星の発見が相次いでおり、年間に多数の「ニート彗星」、「リニア彗星」が発見され続けています。もちろん、同名の彗星でも全然別物です。彗星の特徴は全然関係していません。ちなみに、ニート彗星よりもリニア彗星のほうが多く、倍以上の数が存在します。

 ですので、2004年に接近するニート・リニアの両彗星を呼ぶ場合は、同名の彗星との混同を防ぐために、「C/2001 Q4彗星」、「C/2002 T7彗星」と呼ぶほうがよいでしょう。言いにくい場合は、「Q4ニート」、「T7リニア」とでも言いましょうか。

 検索サイトで調べる場合は、「ニート彗星」、「リニア彗星」と検索すると、過去の同名の彗星ページが大量にヒットしますのでご注意下さい。今回の2大彗星に限定するには、キーワードに「2004」、または「Q4,T7」を追加されることをお勧めします。

● 2つの彗星を同時に見るならオーストラリア


 残念ながら、C/2001 Q4 NEAT彗星もC/2002 T7 LINER彗星も、日本はあまり見る条件がよくありません。条件が良いのは、南半球。遠征しやすい場所として、オーストラリアが挙げられます。なぜ南半球がよいのかというと、それは彗星と太陽の位置関係に原因があります。日本からだと、両彗星は日没頃、太陽の左横にあります。実は、太陽の横という位置が悪いのです。なぜなら、太陽の横だと、太陽とほぼ同時に沈んだり出たりします。ですので、夜になったらもう彗星も沈んでいて見えないのです。もちろん、彗星が太陽の左横に見えている日没前(昼間)は、言うまでもなく空が明るくて見えません。

 ならば彗星がどの位置にあれば、夜間に彗星が見えるのか。それは、太陽の上(または下)です。このように、地平線に対して彗星と太陽の位置が垂直になる場所だと、太陽が沈んだ後、太陽に遅れるようにして彗星が沈んでいきます。すなわち、彗星は夜の空にちょっとだけ姿を現すのです。丸い地球上で、彗星が太陽の上に見える場所、それは南の方向へぐるっと90°地平線を回転させたようになる、オーストラリアなのです。地平線が90°回る、ということはつまり、太陽の横にあった彗星も90°回転して太陽の上にくる、ということなんです。ですので、オーストラリアでは彗星が日没後の西空で、姿を現すようになるのです。

 もちろん、日本からは見えない、ということではありません。「肉眼でハッキリ見える彗星が2つ並ぶ!」とはいかないものの、2004年の5月下旬からは、日没後(夕暮れ)の西空で、ニート彗星とリニア彗星を一度に見ることができます。ただし、もうその頃には両彗星とも暗くなっていると思われますので、どちらか一つは肉眼では見えないかもしれません。オーストラリアだともっと早い時期に、もっと両方とも明るくハッキリと同時に見ることができるでしょう。

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